ことばの種(STさんのつぶやき)
秋祭り
私の住む地域では、毎年10月7日が
秋祭りです。
獅子舞、お神輿、提灯行列。
子ども達は運動会の練習もあります
から、大忙しです。
先週から始まった獅子舞練習。
地元の有志に、主に小中学生が
教わります。
週に2〜3回、約1時間の練習です。
参考になるなと思うのが、就学前の
ちびっこたちの参加のしかたです。
大人達は、それぞれの子どもの年齢や
性格、なんとなくの発達の様子に
よって、少しずつ違った対応をして
います。
①音や動き、雰囲気に驚いて、泣いてしまう子もいます。
まずは保護者に抱かれてその場に
居られれば👍
無理ならお家に帰ります。
また、見にきてね👋
その間、練習している兄姉は残った大人が引き受けます。
②走り回ってしまう子。
休憩時間は大人も加わって、思いっきり遊びます。
練習が始まると、講師役以外の大人
が見守りながら、別室で遊びます。
戸は開け放していて、興味があれば、練習を覗いてみます。
③その場に居られるようになったら…。
大人のお膝に座って見学したり、
一緒にバチを握らせてもらって、
太鼓を叩く気分を味わったりします。
部屋の隅で、練習の様子をチラチラ
見ながら、静かに遊んでいることもあります。
こうした段階を踏んで、練習に
取り組めるようになっていきます。
このスモールステップの支援を、
地域の一般の人達が、自然にしているのです。
ちょっとすごいでしょう❓
興味を持てないことを、大人が
勧めても、なかなかやる気にはなりません。
「今はやらないよ」ということを
認めてもらった上で、(強要されるの
ではなく)その場に居て、観察する
ことが、「やってみようかな❓」
「自分にもできるかも❓」と思えることに
つながります。
大人は、どうしても、「きちんと」
取り組むことを求めてしまいがちです。
でも、よくわからないこと、自信の
ないことに取り組むのは、子ども達に
とってしんどいことです。
獅子舞練習の、一見ゆる〜い
取り組みも、実は大切な「参加」の方法なんですよ。
センターでは、今、運動会の練習に
取り組んでいます。
私たちは、子ども達が頑張れるための
スモールステップを、準備してあげられているでしょうか❓
チラチラ様子を見たよ。
ちょっとだけ、近づいてみたよ。
ダンスを、手の先だけ真似して踊ったよ。
練習はしなかったけど、一緒にいることができたよ。
その頑張りを認め、ご家庭にもお伝え
できるよう心がけています。
子ども達の1歩1歩を、どうか、
褒めてあげて下さいね🎉
同じ授業を受けたはずなのに…❓️
効果的な「伝え方」は、それぞれの
子どもによって違うという実例を…。
私には、幼稚園で出会い、高校まで
同じ学校で過ごした大親友がいます。
小学校低学年では同じクラスでした
から、当時、同じ教科書を使って、
同じ先生から、同じ授業を受けたはず
なのですが…。
絵の苦手な私が、愚痴をこぼした時の
ことです。
「画材だけ与えて、さあ描きなさい!
って、無理だと思うの。
そんなの、原稿用紙の使い方だけ
教えて、作文を書かせるようなもの
じゃないの⁉️
国語の授業なら、題材の選び方、
文章の組み立て方、推敲のしかた
まで丁寧に教えるのに❗」
絵が得意でデザインの仕事をしている
友人曰く、
「作文のそんな説明、聞いた覚えが
ない…。
絵はね、画面の構成のしかたや、
色の選び方のコツは説明があったし、
教科書にも載っていたよ😁」
…なんということでしょう⁉️
私、そんな記憶はありません❗
興味のない内容については、
「分かりにくかった」という記憶すら
なく、全く受け取れていなかった
んですね。
どちらかというと真面目な私たち
でしたから、サボっていたり、
先生のお話を聞いていなかったりは、
していないと思うのですが…。
同じ情報を、同じように伝えられて
いたのに、私たち2人がそれぞれ
受け取れた情報は、こんなにも違って
いるのです。
これは、学校の授業だけで起こる問題
ではないと思います。
言語習得、生活習慣、大人が求める
様々な行動…。
子ども1人1人に、得意で
身に付けやすいことや、興味を
持ちにくいものがあり、分かりやすい
(応じやすい)伝え方は異なります。
「他の子はできるのに」
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)はできたのに」
心配になったり、苛立ったりすること
もあるかと思います。
けれど、それは、私たち大人が、
その子にあった伝え方をできていない
だけかもしれません。
お子さんに伝わりやすい方法を
探してあげましょうね。
そして、私たちにもそのお手伝いを
させてください。
見てるよ、気にかけてるよ👀
幼い頃、私は内気な子どもでした。
深刻に辛いわけではないけど、
集団での活動が憂鬱(ゆううつ)な
程度には、友達少なめでした💦
そんな時、同じクラスの
「ひろこちゃん」という女の子が、
「お母さんが、あの子可愛いから
遊びに来てって言った。」
と、お家に誘ってくれました。
ひろこちゃんとは、別に仲が良かった
わけではなく、ほとんど口を利いた
こともなかったように思います。
楽しく遊ばせてもらったけれど、
その後も特別仲良しになったわけではなく…。
それでも、なんとなくお互いに
「お友達」というカテゴリーには
なったように思います。
いつも一緒の「親友」以外に、
クラスに「お友達」がいるということ
は、園生活をずいぶん心強いものに
してくれました。
幼少期の私が目を引く美少女だった…
というのは事実ではない(笑)ので、
何かの機会に、ぽつんと1人でいる
私の様子を見た、ひろこちゃんの
お母さんが、気にかけて、
仲良くなれるように手を打ってくれた
のだろうと思います。
誰かが自分を見てくれている、
気にかけてくれている、更には、
自分にはそうしてもらえる価値がある
と思えることは、とても嬉しいことです。
そうした思いは、目の前の課題に取り
組み、解決していくための原動力に
なります。
苦しい時、うまくいかない時、
それでも自分は価値のある存在なのだ
と信じられる根拠ともなり得ます。
子ども達が色々な活動に取り組んで
いる時(うまく応じられない時)、
できて当たり前と流してしまったり、
ただ注意したりすることも多いかと
思います。
「上手にできているね」
「頑張っているんだよね」と注目し、
認めていると伝えてあげることが、
その頑張りを後押しすることに
つながります。
園生活、センターでの活動でも、
頑張りを見ているよ、あなたのことを
気にかけているよと、ことばで、
身振りで、視線で。
意識して伝えるようにしています。
聞いてたんだね👂
お昼寝の時間、にじチームのお部屋を
のぞいてみたら…。
3歳のAちゃんが、小さな
トリケラトプスのぬいぐるみを抱いて
眠っていました💤
担任のスタッフに聞くと、同じチーム
のお友達、Bちゃんの「マイブーム」が
恐竜なのだそうです。
この2人、普段の活動の中では、
なんとなく場を共有して遊んでは
いるものの、今のところ、まだ
「一緒に遊ぶ」ということは、
あまりありません。
Bちゃんの恐竜トークも、興味を
持って聞いている様子ではなかった
とのこと。
ぬいぐるみをしまってある箱の、
底の方から、トリケラトプスを
探し出して抱っこしたそうですから、
実は、関心があったのでしょうね。
Aちゃんは、自分のしたいこと、
イヤなことを、ことばで伝える
ことができます。
ただし、これまでは
コミュニケーションの対象は
大人だけで、同年代のお友達の
ことばにはあまり興味を示して
いませんでした。
でも、お友達のことばを聞いて、
いっしょに遊んだり、お話に
加わったりこそしなかったけれど、
Bちゃんの話していた「恐竜」の
ぬいぐるみの話を聞いていたのですね。
それは、お友達との
コミュニケーションへの第一歩!に
なりますね。
ことばはわかる(話せる)のに、
「会話」ができないとお悩みの方も
いらっしゃるかと思います。
Aちゃんのように、お話を聞いて
いない、興味がないように見えても、
実は聞いていて、内容もわかっている
ということがあります。
時に一方通行に思える
ことばかけも、ちゃんと意味のある
ことなんですよ。
今は「投げかけ」の時。
すぐにお返事がなくても、
反応してくれる時をそっと待って
あげましょう。
できれば、お子さんが、今、
見ているもの、していること、
興味のあることに沿ったことを
お話してあげると、より効果的に
コミュニケーションにつながって
いきますよ。
「がんばる」の種をまきましょう🎵
今月の「おべんきょう」予定です。
これ、なんだと思いますか?
なんだかおいしそうですね🍓
試作中に通りかかった職員のほとんど
が(特に青)チョンッとつついて行きました😆
傘袋の中に、食用色素で色をつけた
お水を入れて縛ったものです。
1本の傘袋から4〜5個作ることが
できます。
さて、何に使うのでしょう?
夏☀️(もうじき秋になりますが…)の
暑い日にうれしい瞬間冷却パック
を作ります❗️
アルミパウチなどに粉末と、液体の
小袋が入っていて、強く叩いて小袋を
破ると、冷たくなる製品です。
最近あまり見かけない気がしますが、
スポーツをされる方ならご存知でしょうか?
実は、意外に簡単に作れるんですよ🎵
上の写真の水入り袋を、園芸用肥料の
尿素(硝酸アンモニウムでも可)と
一緒にフリーザバッグに入れます。
密封すれば出来上がり🎵
お子さんが扱う時には、念のため、
口をビニールテープでしっかり閉じると安心です。
なるべく空気を抜いた状態で
密封すると外の袋が破れにくいですよ。
水と尿素の量は、概ね同量にすると
良いようです。
説明を聞いて(手順書を見て)、
作業を進めることができるかな?
力を入れて、水袋を破ることが
できるかな?
ヒンヤリ⛄️冷たくなるのが、
わかるかな?
年長さん達には、使う材料を、
職員にもらいに行くことにも
チャレンジしてもらおうかな❓
計画中です。
冷たくなる仕組み…は、
今はわからなくてもいいかな?
楽しい✨という体験を通して、
机上で「おべんきょう」することや、
読み書き、コミュニケーションの
楽しさを学べるといいなと思って
います。
そして、いつか、大きくなって、
学校で、日常生活で…。
ちょっとした課題に向き合う時、
「あの時の、楽しかった、あれ❗️」
というワクワク感を持って取り組む
ことができれば素敵ですね。
「おべんきょう」など、大人に
求められる活動を頑張れた❗️
楽しめた✨という経験は、
学業に限らず、「やるべきこと」
「ちょっと難しいこと」を頑張る
ための原動力になりますよ。
大きい❓️小さい❓️
今週の「おべんきょう」では、
プリント学習に取り組みました。
内容は、それぞれのお子さんの
発達段階や興味によって、
少しずつ変えています。
ご家庭で取り組まれる時には、
お子さんが1人でできる、あるいは、
ほんの少しの手助けでできる難易度の
ものが適当かと思います。
「できた❗」「ほめられた❗」という
経験が、色々なことにチャレンジする
意欲に繋がりますよ。
さて、タイトルの
「大きい❓️小さい❓️」は、
何人かの子どもたちが取り組んだ
プリントの内容です。
イラストの大きさについて、
①「どっちが大きい❓️」
②「どっちが小さい❓️」
③「1番大きい(小さい)のはどれ❓️」
の、質問に答えていきます。
大人の視点では簡単に感じるでしょう?
でも、子どもの成長段階で、
「大きい❓️小さい❓️」がわかるのは
大切なことです。
更に、たくさんのイラストが
描かれた、楽しいプリントを前に、
大人の問いかけに応じられるか?
途中、問われ方
(どっちが大きい→小さい
→1番大きい→1番小さい)が
変わっても、混乱せずに答えられるか?
答え方も変わります。
該当するイラストを⭕で囲む
→イラスト下の□の中に⭕を描く。
センターの子どもたちの取り組みで
感心したのは、問われ方や答え方が
変わっても、慌てず正答できることが
増えたことです。
みんな、よくお話を聞けているね。
小さいお友達の中には、⭕を描くため
のクレヨン🖍️でぬり絵をしたくなった
子もいました😆
でも「聞いて👂️大きいの、どっち❓️」
と再度声をかけると、私の顔をじっと
見つめた後、大きい方をぐるぐると
マークしてくれました。
ありがとう、本当は、可愛く色を
つけたかったんだよね。
そして、年長さんたちはすごかったですよ。
イラストそのものの大きさではなく、
「本物」はどっちが大きい❓️
という問題にも、答えることができました。
ex.ネズミ🐭と、ゾウ🐘
砂場のお山と、本物の山🗻
池と、海🏖️
目の前に無いものについても、
考える力が育っているのですね✨
その年長さんたちみんなが、
ちょっと困ってしまったのが、
野菜の大きさを問う問題です。
ex.キャベツと、ジャガイモ🥔
キュウリ🥒と、ダイコン
給食や普段の食事🍽️で頑張って食べて
いますが、そう言えば、調理前のもの
を見る機会は少ないかもしれません。
そう考えると、課題学習だけでなく、
日常生活での経験もまた、
子どもたちにとって、大切な
「おべんきょう」なのですね。
ご家庭でも、センターでも、
たくさんの「楽しい❗」を経験して
いきましょうね。
「よしよし💢」
Aちゃんとお母さんの取り組みのこと。
センターに通い始めた頃には、お友だち
とのおもちゃの取り合いで、手が出て
しまうこともあった昨年4月。
今では欲しいおもちゃは「かして」と
言えるし、おもちゃを取られそうな場面
では、「先生❗️」と職員に助けを求め
たり、「今Aちゃん遊んでる」とことば
で伝えたりすることができます。
ある日突然、そんな行動ができるように
なったわけではありません。
時間をかけ、段階を経て、Aちゃんの
行動は変わっていきました。
中でも印象に残っているのは、
おもちゃをかして欲しい時、職員の顔を
見ながら「よしよし💢」と言って、
お友だちを撫でてあげていたことです。
本当に言いたかったのは、
①あれが欲しいんだよ。
②ぼく、我慢できてるよ。
③お友だちには「よしよし」して
あげるんだよね。
…といったところでしょうか。
Aちゃんのこの行動の背景では、
お友だちを叩きそうになった時、
お母さんがその手を取って
「よしよしだよ」と、撫でる動きを
促すことを、繰り返し行っていました。
「ダメ❗️」と制止するよりも、
別の動きに移行する関わりの方が、
反発が少なく応じやすいことが多いです。
また、子どもがするつもりだった行動を
制止する代わりに、何をすればいいのか
望ましい行動を大人が明確に教えてあげる
ことも有効な方法です。
加えて、こうした工夫を周囲の人と共有
することで、より効果的な関わり方と
なります。
Aちゃんの場合、お母さんからの情報の
おかげで、園生活の中でも「よしよし」
の裏側にある、Aちゃんの本当の気持ち
を推測し、代弁・共感したり、ほめたり
できたことが、Aちゃんの成長に
つながったと思います。
望ましくない行動を、
「やめさせる」のではなく、
「どうして欲しいのか」伝えること。
できたことをほめること。
共感を示すこと。
周囲の大人みんなで、関わり方を
共有すること。
これらのことの大切さを実感した、
Aちゃんの成長と、お母さんの取り組み
です。
お子さんの行動の、「ここが気になる」
「こんなことに困っている」ということ
があれば、おたより帳などで園の先生に
ぜひ教えてください。
お子さんの成長を、
一緒に支援していきましょう❗️
ターミネーターを作るぞ❗
「おべんきょう」や、その教材が
「楽しい✨」ものであることが重要だと
感じた、我が子のエピソードを紹介します。
我が子がひらがなの読み書きをマスターした
のは、年長さんの終わり頃でした。
読み聞かせをしたり、五十音表を
あちこちに貼ったり、絵本や知育教材を
買い与えたり…。
文字に興味を持たせようと手は尽くして
いたのですが、あまり効果はありません
でした。
そんな我が子が読み書きに意欲を持った
のには、明確なきっかけがあります。
それは、たまたまテレビ放映していた映画
「ターミネーター」を目にしたことです。
「ターミネーター(ロボット)を作る人に
なりたい✨」という目標を持った我が子を、
「ロボット教室」に通わせてみました。
写真を豊富に掲載した教科書を使用し、
レゴブロックやモーターを組み立てて、
本当に動くロボットを作る習い事です。
初めは、教科書の写真を手掛かりに、先生に
質問しながら組み立てることで満足していた
ようなのですが…。
「先生が言ってることは、
教科書に書いてあるみたいだ❗」
「これが読めたら、自分でできる‼️」と、
気づいてからは、それまで見向きも
しなかった五十音表をじっくり見たり、
「これ、なんて読む❓️」と聞きにきたり…。
ロボット教室や、保育園の先生方に
誉めてもらえるのも励みになったようです。
あっという間に読み書きをマスターし、
今では私より字が上手です。
(私はひどい悪筆です💦)
特定の習い事をオススメしているわけでは
ありません。
子どもが何かを習得するためには、
「その事自体」が楽しい✨か、
「それを習得する事」が楽しい✨に
繋がることが大切です。
我が子にとっては、それが
「カッコいいターミネーターを作るぞ❗」
という思いだったわけです。
お子さんにとって、色々なことを習得する
原動力になるような、それぞれの
「楽しい✨」を見つけてあげたいですね。
仲良く遊ぶために。
廊下から園庭を見ていると、
むかでキッカー(3人乗りの乗り物)に
またがっているお友だちを押し除けて
乗ろうとするAちゃんが見えました。
乗り物に乗っているお友だちを押し除ける
という行動は、少々危険です。
でも、離れた場所から大声で注意する
のでは、伝わりにくいし、「怒られた💢」
という悲しい気持ちだけが残ってしまう
かもしれません。
Aちゃんの近くにいる職員に声かけを
依頼しようと思った矢先、見られている
と気づいたAちゃんと目が合いました👀
「見つかっちゃった💦」と、
ちょっとバツの悪そうな表情になった
Aちゃん…。
そっとお友だちの肩から手を離し、
「いっしょに乗ろう」と声をかけます。
そして、「これでいい?」というように
視線をくれます。
両手で大きく⭕️を作って見せると、
Aちゃんもニッコリ(^_^)
わかってくれて、ありがとう。
この場面、ご家庭で対応する時には、
押し除けようとしたこと自体を叱って
しまうかと思います。
公園などでのお友だちとのトラブルで
あれば、相手のお子さん、保護者への
配慮という意味でも、妥当な対応だと
思います。
けれど、魅力的なおもちゃを使いたい、
独占したいというのは、小さな子どもに
とって自然な感情ではないでしょうか?
まずは、その気持ちを我慢できたことを
認めてあげたいなと思います。
一緒に遊ぶともっと楽しい❗️ということ、
お友だちとするのが嬉しい❤️という
人間関係、それから、譲ってあげたら
喜んでもらえていい気分だった🎵
ということを、たくさん経験することが、
おもちゃの貸し借りや共有をするための、
子ども達の内面を育みます。
大抵の子どもが「良い行動」を身につける
には、それをすれば楽しい⤴︎と知っている
こと、我慢すればもっといいことがある✨
と納得できることが、動機づけとなります。
「ダメ❗️」を教えるのはもちろん大切です。
同時に、できたことをほめること、
できるための楽しい経験を積んでいくことも、
大切にしていきたいですね。
バスボムで遊ぼう❗️
先週から取り組んでいるバスボム作り。
里帰り保育で帰ってきた、卒園児さんも
一緒に作ってみましたよ♩
それぞれの席にきちんと座って、説明を
聞き、疑問点や、言いたいことがあれば
「はい❗️」と手を挙げてから発言して
くれました。
配布した手順書に注目し、作業の流れを
理解して取り組むこともできました。
さすが1年生ですね。
さて、年長さん達は、今度はバスボムを
使って遊びました。
①水に入れるとどうなるかな?
「しゅわーってなるよ‼️」
「溶けちゃうんじゃない❓」
元気よく答えてくれます。
②どんな色になるかな?
「ピンクがいいな」
「青の粒々が入ってるから、青だよ。」
「これは白だね。」「でも、黄色っぽいよ。」
③混ぜたら何色❓
赤+青→「むらさき?」
青+黄色→「みどり❗️」
赤+黄色→「うーん、わからないね…」
チームでの活動で色水遊びを経験していた
子ども達は、その時のことを思い出して
考えたり、答えたりする様子がありました。
全部混ぜたら…?
なんと、透明になりました。
これは私も予想外‼️なぜでしょうね?
④お水といっしょにペットボトルに
入れて、振ったらどうなるかな?
⑤穴を開けた容器に入れて、
水に沈めたらどうなる?
1年後、卒園児さん達のように、説明や
教材を理解し、より意欲を持って
取り組めるようになっていたいですね。
そのために、楽しい遊びを題材に、
考えたり、質問に答えたりする経験を
積んでいます。
子ども達には、考えることや机に向かう
ことは、楽しい✨ということを知って
ほしいと願っています。
しゅわしゅわ❗️ぱちぱち✨
最近の「おべんきょう」の時間には、
年長さんを中心にバスボム作りに
取り組んでいます。
材料は、重曹とクエン酸。
(およそ2:1の割合で混ぜます。)
お好みで食用色素、精油などで、
色や香りをつけても楽しいですね。
(市販の粉末入浴剤を混ぜるのも、
扱いやすくておすすめです。)
ビニール袋に入れて、
水スプレーをシュシュッ💦
少し湿らせて、ギュッギュッと
握り固めます。
よく乾かせば、完成です‼️
それぞれの年齢、発達段階に応じて、
手順書を読みながら作ったり、
使う材料の量を書き込んだり…。
「数字はまだ書けない、読めないよ」と
言うお友だちは、口頭で伝えた材料の
量を⭕️の数で書き込んだり、
「カップ1って言ったよ❗️」
「こっちは2って言ったよね❗️」と、
ことばで確認したりしながら作りましたよ。
みんな、説明をよく聞いて、一生懸命取り組みました。
作ったバスボムは、手順書と一緒に
持ち帰ってもらっています。
ご家庭で、お風呂や水遊びの時に
楽しんでくださいね。
自分で作るのはまだ難しい、小さな
お子さんには、大人が作ってあげても
いいですよ🎵
しゅわしゅわ❗️ぱちぱち✨チャプチャプ💦
あか、あお、きいろ🎨
オノマトペ(擬音語・擬態語)や、
色の名前を言いながら、
たくさん遊びましょう。
「楽しい‼️」という実体験と、
それらのことばが繋がり、
コミュニケーションの発達を促すことに
なっていきます。
海の日🏖️
今日は海の日ですね。
今日は子どもの頃の、海にまつわる思い出話を。
日頃の子どもたちとの関わり方を
振り返る際に参考となるエピソードです。
私が子どもの頃、海での遊び方はただただ
泳ぐことがほとんどだったように思います。
電車ごっこのように浮き輪で列を作った
子ども達を、父親が足のつかないところ
まで引いていき、一斉に岸に向かって
泳ぐ競争はとても盛り上がりました。
(親の立場になった今では、ゾッとするような危険な遊びですね💦)
ある年の夏、私を含む何人かが、
この遊びをしたくないと主張しました。
映画「ジョーズ🦈」の大流行で、
サメが怖かったからです。
父は怒りました。
「人喰いザメなんて映画の中のことだ。
瀬戸内海にサメなんかいない」という
のが、その理由です。
結局、一緒に遊んでいた年上の男の子
たちが、ゴーグルをつけて海中をチェック
し、「サメはいなかった」と言ってくれた
ことと、泳ぎの達者な女の子が、私たちの
浮き輪を引いて泳ぐことを提案してくれた
ことで、みんなで楽しむことができました。
このことから思う、子どもの「いやだ」
への有効な対応は2点。
①訴えそのものに向き合う姿勢を
見せること。
②訴えていること以外に、不安に思って
いるだろうことを軽減すること。
(サメを怖がったのは、泳ぎが苦手な
メンバーでした。たぶん、サメとは関係
なく、海がちょっと怖かったんでしょうね。)
子どもは「正論」よりも、自分の思いに
真摯に向き合ってもらえていると
感じられることの方が、心に響くことが
あります。
あの日の、お兄さん、お姉さんたちの
ように、今、私は子どもたちの思いに
寄り添うことができているでしょうか?
と、自問自答しています。
勉強中です📚
くじらチームのお友だち、Aちゃんは、
自分のお名前を、声と指文字で表現する
ことができます。
ひらがなを読むこともできます。
指文字とは、指の形で文字(音韻)を
表す方法で、手話の語彙にないことば
(人名、地名など)を表現するのに便利
です。
手話や指文字は、音声を使わない
コミュニケーション方法の1つであり、
特に聴覚に障がいのある方にとっては
重要な意思伝達の手段です。
もちろん、ST(言語聴覚士)の養成
課程にもその講義は含まれています。
…が、恥ずかしながら私、「おしまい」
「おめでとう」の手話と、自分の名前の
指文字(たった2文字です…)が、
かろうじてできるというレベルで、
養成校を卒業してしまいました。
そんな私ですが、Aちゃんとの
お付き合いも、丸2年となりました。
Aちゃんの他にも、声を出しての
「ことば」のかわりに、手話を活用する
お子さんがいます。
Bちゃんは、ジェスチャーや指差しでは
伝わりづらいことを、部分的に手話の語彙
を取り入れることで、伝えてくれます。
手話・指文字は、単に聴覚言語を補う
だけでなく、コミュニケーションの
可能性を広げ、表現を豊かにしてくれますね。
そんな思いから、今、手話・指文字を
勉強し直しています。
Aちゃん、いつか私と手話で内緒話をしようね。
お知らせ
今日7月10日の
ことばの種は都合により、
7月13日に掲載となります。
いつも楽しみに下さっている皆さま
急な変更ですみません。
13日によろしくお願いします。
カラオケ🎤にて
「カラオケ🎤というものに行ってみたい」
という、我が子のリクエストで、
10年ぶりにカラオケ🎤に行きました。
元々あまりカラオケ🎤好きな訳ではない
ので知らなかったのですが、近頃の
(昔からでしょうか?)カラオケって、
画面に音程や音の長さを示すバーが
表示されるんですね♪
これです‼️
これが、「視覚支援」です❗
「高い」「低い」、「短め」
「長く伸ばす」、歌い始めのタイミング…。
なんとなくわかるんだけど、あいまいで
はっきり分かりづらいことが、視覚化
することで明確になります。
楽譜も、もちろん音を視覚化する手段の1つです。
それでも、カラオケのガイドバーを
例に挙げたのは、複雑な規則の知識が
なくても、単純で直感的に分かりやすい
点で優れていると感じたからです。
また、声を出すのか休むのか、
音の高さはどのくらいかが、
リアルタイムでわかるのも良いですね。
子どもへの「視覚支援」も、簡潔、明瞭に。
そしてタイムリーに提示できると、
「見せたもの」と、「伝えたい内容」が
より繋がりやすいです。
例えば、「おやつを食べる前に手を
洗おう」と伝えたいなら、なんでもない
時にじっくり説明するより、食事の
タイミングで「おやつ🍡」と「手を
洗う🫧」の絵カードを見せて、
「おやつだよ。手を洗おうね。」と
促す方がピンときやすいでしょう。
また、手を洗ったらお菓子をもらえた
経験と組み合わせることで、
より身につきやすいです。
視覚提示の方法、適当なツール、タイミング。
それぞれのお子さんにとって、
より伝わりやすい方法を、
一緒に考えていきましょうね。
声の出し方って難しい😓
常に音量MAXでお話したり、
甲高い声を出したり、
単調な話し方をしたり…。
ということが、小さな子どもには
よく聞かれます。
さて、私の通勤時間は片道およそ
1時間です。
大体、その日の段取りを考えたり、
音楽を聴いたりして過ごします。
今週はなんだか気分がノっていて🎵、
朝夕、布施明だの尾崎紀世彦だの…を
熱唱していたところ、声が嗄れてしまいました。
喉に不具合がある状態になってみて
気づくのは、なるほど、声の
コントロールって、こんなにも
難しいものなのか、ということです。
意外に小さな声が出しづらく、
意図したよりも大きな声になって
しまいます。
声の伸びも悪く、文末の音がプツッと
途切れてしまうことがあります。
大人に比べて、喉の機能の未発達な
子どもにとって、「程よい声量」
「リラックスした発声」「抑揚を
つけた話し方」といった、理想的な
スピーチはなかなかに難易度が高いのでしょうね。
特に、大きな声を出してしまうお子さん
は、おふざけをしているなどと誤解
されやすいように思います。
「声の大きさ」の調節は、機能的に
難しいのだということを、大人は
分かっておいてあげたいですね。
歌を歌ったり、一緒に絵本を読んだり
する中で、「大きな声で🐘」
「小さな声で🐜」と、遊びとして声の
コントロールを身につけられると
楽しいですね♩
*機能の問題以前に、「適切な声量」
というもの自体も漠然としていて
分かりづらいです。
テレビの音量表示のように、
数字や目盛で説明すると
応じられることがありますよ。
母の教え
母の教え
我が子が1〜2歳の頃。
イヤイヤ期にはまだ早い時期だった
でしょうか?
理由なく(大人には理由が分からない
ように見えた)泣いたり、怒ったり
することがありました。
まだことばでの説明も覚束ず、
本人にも何が不快なのかはっきり
分かっていないように見えました。
生活のスケジュールが乱れたり、
保育園での活動にもうまく参加
できなかったり。
泣いて、怒って、普段ならわかるはずの
声かけが耳に入らないのには、
参りました💦
そんな時、私の母から言われたのが、
「子どもの肌着や靴下は、裏返して洗濯しなさい。」
ということでした。
理由は、肌着や靴下の中のほつれや
毛玉が、なんとなく不快で、
不機嫌になることがあるから。
「そんなことで?」と思いつつ、
靴下を裏返すと、つま先あたりに
毛玉のような糸くずが溜まっている
ことに気づき、洗濯のたびに
取り除くようにしました。
これを始めてから、謎の
「イヤイヤ」は、ぐっと減りました。
声かけにもよく応じられることが
増えました。
大人から見ればほんの些細なことが、
子どもにとっては重大な不快要因
である場合があるんですね。
子どものものに限らず、
裏返して洗濯するのが当たり前
という方もいらっしゃるでしょう。
洗濯で全てが解決するということでもありません。
けれども、大人の小さな工夫で、
子どもが困らずに済む環境を
整えてあげることが、促しに応じたり、
スムースに行動したりすることに
つながると実感したエピソードでした。
お子さんが応じられない、
行動できない(したくない)理由は、
どこにあるのでしょうね?
本当に小さなことかもしれない、
その要因を、
一緒に探していきたいですね。
なんでなの⁉️
つい先日のことです。
朝、家を出る時には雨は降っていなかった
のですが、天気予報では「あめ☔️」、
低く黒い雲が広がっていました。
登校する我が子に
「かさ☂️を持ってお行き」と
声をかけたところ、「うん❗️」と
元気よくお返事をして…。
かさ立ての横を素通りしていきました…。
思わず、「えっ、なんで⁉️」と
声が出てしまい、ちょっとナイーブな
我が子をウルウル😢させてしまいました。
小学校高学年でさえ、こんなことがあります。
お返事をしたからといって、
「わかった」「できる」とは限りません。
同じような場面での「できない」が
続くなら、わかりにくい、応じにくい
要素があるのかもしれません。
ちなみに、下校後の我が子の説明によると…。
声をかけられたから返事をした。
かさ☂️の話をしたのはわかった。
でも、かさ立てからかさ☂️を取ることには
結びつかなかった。
急いでいたから。
「かさ☂️を取るよ。」と指差していたら。
朝の天気予報を一緒に見ながら、
「かさ☂️がいるね」と話題にしていたら。
玄関から出る前の、
落ち着いた時間☕️に声をかけていたら。
きっと伝わりやすかったと思います。
「なんでできないの❓」と言われても、
わざとじゃないんだから、
子どもだって困ってしまいます。
叱られて悲しいし、わかってもらえなくて
怒ってしまいたくなるかもしれません。
どうやったらできるかな❓
本当に伝わったかな❓
このタイミングで、お話を聞けるかな❓
子どもができないことを責めるより、
大人ができる工夫をした方が、
お互いに気持ちよく☺️、
「できる」への近道になることがあります。
*大人の「なんで⁉️」には、
多くの場合、できないことを責める
気持ちが含まれるように思います。
そうした意図はなくても、
誤りの指摘→責められていると
感じる子どもは多いです。
「~のこと分かった?」
「よかった!お話聞いてくれてうれしいよ」
と、聞くことや話しかけられることが
うれしくなることばをかけていきたい
ですね。
このことが自己肯定感にもつながりますよ。
「今」しなきゃダメなの?
私の父は、1度靴を履いて外に出ると、
戸外での用事が全部終わるまで、
絶対に靴を脱ぎません。
忘れ物をしたら、
ピンポン❗️ピンポン❗️と、
呼び鈴を鳴らし続け、
屋内に居る家族を呼び出し、
「おーい、〇〇取ってくれ」と。
料理中だろうと、電話中だろうと、
お構いなしです💦
このこと以外にも、自分のペースで
不要不急の用事を「今」するように
要求することがあります。
ちょっとイラッ💢とします。
でも、これ、私たち大人が日常的に
子ども達にしていることだと
思いませんか?
楽しく遊んでいる時に、
「トイレに行こう」
「お片付けをしよう」
「お風呂に入ろう」等々。
トイレに成功しそうなタイミング
だったり、生活習慣やその後の
予定を考慮すると、それらを
「今」することに意味があります。
大人にとっては、それが当たり前。
だから、「イヤだ💢」と反応されると、
反抗的だと感じたり、叱ってしまったり
することがあります。
だけど、子ども達にとっては❓
特に、時間の概念、時計の見方が
未習得の小さなお子さんに、
「時間(スケジュール)だから」は、
納得しにくいかな?と思います。
トイレにしても、トレーニング中の
お子さんでは、排尿の感覚もまだ
はっきりつかめていないでしょうから、
「今」行く必然性は薄いでしょう。
促しに応じられない時、楽しい活動を
「大人の都合で急に中断させられた」と、
子ども達に感じさせていないでしょうか?
「これが終わったら、次は〇〇をするよ」
「時計の針が〇になったら、おしまいだよ」
「10数えたら、お片付けをしようね」
次にすることや、そのタイミングを
予告することで、応じやすくなる場合が
あります。
楽しくって、盛り上がりすぎていると、
その「予告」が耳に入りづらいことも
あります。
「おしまい」や中断に向けて、
少しずつおもちゃを減らしたり、
ゆったりしたBGMをかけたりして、
カームダウンしていくことも有効ですよ。
また、「『今』する必要があるんだよ」
「『今』しないと、『後で』は難しいよ」
ということを根気よく伝えていくこと。
「まだ遊びたかったんだね」
「今はしたくなかったんだね」と
共感を示すことも、子ども達にとって、
応じやすくなるポイントになります。
*伝わりやすい「予告」の方法については、
また別の機会に詳しくお話ししますね。
花が咲く前のこと
少し季節外れの話題になるのですが。
桜🌸を使って草木染めをすると、
鮮やかなピンク色になるそうです。
花びらではなく、
樹皮を使うのだそうですが、
その美しい色が出せるのは、
花が咲く直前の、ほんの短い時期
だけなのだとか…。
外観からはわからないけれど、
開花に向けて、木全体で準備を
進めているのですね。
このことは、子ども達の成長と
似ているなと感じます。
ことばを話し始める前、
子ども達の心や身体は、
大人には見えにくいところで
少しずつ準備が整えられています。
今年度からセンターに来られている
お友だちのエピソードをご紹介します。
初めてお母さんと一緒に登園した頃、
まだことばは出ておらず、
大人の声かけにもあまり興味がない
ように見えました。
少しずつ、大人が提示する
おもちゃや絵に注目することが増え、
5月に入った頃からでしょうか?
「おはよう」「さようなら」の
集まりときの歌(手を叩くなど、
簡単な振り付けがあります)を歌う時、
職員の様子をじっと見つめるように
なりました。
それから、正面にいる職員と、
別の職員を見比べるように…。
「この人たち、同じ動きをしているな」
「同じような声を出しているみたい」
大人の行動への興味。
それから、その行動に何か意図がある
らしいという気づきです。
そして、今。
2文字程度の短いことばを
言えるようになってきています。
初めての「ことば」を聞くまで、
子どもがわかっていない、
成長していないように
感じるかもしれません。
でも、開花に向けて、
全身で花びらの色を作り上げていく
桜の木と同じように、
子ども達も、水面下で
発語に向けて準備を進めているのです。
大人の関わり(ことばかけや、指差し、
おもちゃを見せる等)に興味を
持っているか、自分から何かを伝えよう
と指差したり、手を引いたりする行動が
あるか、視線が合うか等々。
こうした日々の小さな(小さいように
見える)変化は、花が咲く前の大切な
下準備なんです🌸
子ども達のことばの花が咲く
その瞬間を楽しみに、見守り、
支援していきたいと思っています。
子どもと話すコツって❓
今日は、子どもとの会話が
成立しやすい問いかけ方について
お話したいと思います。
遊んでいる最中に「りんご好き❓」と
訊くよりも、デザートのりんごを
食べているときに「これ🍎好き❓」
の方が、伝わりやすいですよね。
小さな子どもと会話をする時、
「これを見て❗️」「これは、〇〇だよ」
と、大人のペースで関わると、
反応が得られないことがあります。
そんな時には、子どもがわかりやすく、
応じやすい話題を選ぶことが有効です。
なるべく目の前にあるもの、子ども自身
が今、興味を持って、触っているものの
話題がいいでしょう。
小さな子どもは、その場にない物や、
過去・未来のことを記憶に留めて
おいたり、想像したりする力が、
大人に比べて弱いです。
日常的で馴染みがあると思うことでも、
現にその場にないものを話題にすると
ピンときにくいことがあるんです。
子どもが伝えたいことを聞き取るために。
何に興味を持っているのかな❓、
何を見ているのかな❓
今、大人の声かけを聞けるかな❓
(夢中になっていると、大人でも周りの
声が聞こえないことはありますよね。)
子ども自身の視点、状況に、
大人が歩み寄ってあげられるといいですね。
また、子どもも、
歩み寄ってくれた大人に対しては、
反応を返してくれることも、
呼びかけに答えてくれることも、
多いのではないかと
常日頃から、感じています。
ブドウの木
我が家はブドウの栽培が盛んな地域に
あります。
近頃は、シャインマスカットや藤稔
(ふじみのり)などの大粒で甘く、
種のない品種が主流になっています。
そんな中、親戚の畑では、私のためにと各畑に1本、
古いデラウェア(赤っぽい小粒の品種)
の木を残してくれています。
幼い頃に、私がたった一言
「デラ(デラウェア)が好き」と
言ったことが理由です。
でも、そんなにすごく「デラウェア」が
好きというわけではないんです。
「デラウェア」そのものが好き
というより、種のあるブドウがイヤ
だったのと、他の品種の区別がつかず
(当時は濃い紫で粒の大きさが中位の
ものがほとんどだったので)、確実に
知っている品種名を言ったような記憶が
あります。
小さな子どもとのやり取りでは、
こうした小さな行き違いは、
わりと頻繁に起こります。
子どもの「〇〇好き」は、本当に
それが好きとは限りません。
本当にそれが好き❓
言い間違い❓
知っていることばを言ったのかな❓
一生懸命伝えてくれることばから、
子ども達が本当に伝えたいことを
読み取ってあげたいですね。
*大人の問いかけに対して、
「わからない」「どっちも違うよ」
等と答えることは、経験のない子どもにとって
意外に難しいものです。
答えなかったり、場に合わない単語を
答えたりする場合には
1、質問内容はわかる。
2、応じる気持ちもある。
でも、答えが「わからない」のかも
しれませんよ。
お子さんがが応えやすい質問をするためには?
次回に続きます。
本当かな❓️
皆さん、ゴールデンウィークは楽しく過ご
されたでしょうか?
お子さんとの時間を満喫できた💕という方
も、遊びに、お食事の支度に、ヘトヘト💦
な方も、それぞれに、子どもたちの成長を
感じられたことと思います。
一緒に過ごす中で、ことばが増えた❗
とか、はっきりとは言えないけれど、
伝えようとしているのがわかった❗
ということもあったかもしれません。
ところで、お話ができるお子さんについて、
ちょっと注意しておいて欲しいことがあります。
それは、その子が言っていることが
「本当かな❓️」ということです。
子どもの語彙(ごい)は、大人に比べ、
ずっと少ないです。
その少ない語彙で、伝えたいことを表現する
わけですから、本来の意味とずれてしまう
ことがあります。
例えば、幼児期の我が子は、動物を
「わんわん🐶」、「にゃんにゃん🐱」、
「かー」の3語で表現していました。
ちなみに、「わんわん」は犬、馬、牛、
「にゃんにゃん」は猫、その他の哺乳類、
「かー」は鳥類だったのですが、ペンギン🐧
は「にゃんにゃん」でした。
小さな子どもの場合、物事やことばを
きちんと整理して理解(カテゴリー理解、
仲間分け)しているわけではありません。
ですから、子どもが発することばが、
必ずしも大人が考える意味で使われている
とは限らないんです。
「にゃんにゃん」と言われたら、猫🐱や、
小型の哺乳類を想定しますが、その子が
言いたいのは、ペンギンや羊、象かも
しれません。
また、「わからない」「どっちでもいい」
という表現が難しくて、知っていることばを
答えることもあります。
覚えたことばを使ってみたくて、「遊び」
として、口にしていることもあります。
「◯◯好き」「△△嫌い」「□□したい」
などのお子さんのことば、上手に伝えられた
ことを喜び、ほめてあげるとともに、
この子の言いたいことは、本当に
「これ」かな?と、視線の先、指差している
もの、表情や場面にも注意して聞きたいですね。
もし、お子さんの「本当に伝えたいこと」
と、ことばのズレに気づいたら、
「こう言いたかったんだね✨」と受け止める
ことで、より伝わりやすい方法を示して
あげるといいですよ。
「ぎるぎるぎる」⁉️
「初語」とは、子どもが初期に獲得した
ことばを指します。
その音の連なりが安定して聞かれる
(その「ことば」をよく言う)こと、
意味を持っていることで、それまでの
意味を持たないない発声(喃語:なんご)
と区別されます。
大学時代の友人の話です。
生まれて初めてしゃべった「ことば」は、
「ぎるぎるぎる」なのだそうです。
…意味はわからないそうです。
それって初語って言えるのかな?と、
当時は疑問に思ったものです。
今は、それはきっと「ことば」だった
のだろうと思います。
意味は、「なかった」のではなく、
大人が「読み取れなかった」のでしょう。
辞書に載っているような、
公式なことばだけが「ことば」
ではありません。
方言学の分野にはvariety of language
(言語変種)という概念があり、
例えば、ある家庭の中だけで使用され、
広く一般には伝わらないような単語、
言い方も、「ことば」のバリエーション
の1つ(家庭変種・家庭内方言)である
と認めています。
更には、「個人変種」などという概念も
あり、その人個人しか使わない「ことば」
もまた、言語なのです。
例に挙げた「ぎるぎるぎる」も、大人には
意味がわからなかったけれど、
その子自身は確かに何らかの意味を持たせて
発した、「ことば」だと読み取ったお母様の
観察力と愛情を感じる「初語」ですね。
「まだことばが出ない」と大人が思って
いる子どもたちも、もしかしたら、
子ども達なりの「ことば」でお話して
いるかもしれませんよね。
こうした、「ことば」を、ことばとして
認め、真似たり、ほめたり…。
反応を返してあげることで、
コミュニケーションへの意欲が高まり、
より伝わりやすい「ことば」を獲得
することにつながっていきます。
子どもたちのことばの発達を見守る時、
「ぎるぎるぎる」という音の連なりを、
「ことば」として拾い上げた、
この友人のお母様の姿勢と感性を、
見習いたいと思っています。
「おべんきょう」は段階を踏んで
子どもの発達を促す関わり方について、
「スモールステップが大切」と言われ
ます。
いきなり難しいことにチャレンジするよ
り、簡単にできることから始めること
で、意欲を高め、「できる」を定着させ
ていくことができます。
このことは、知識としてはよく知ってい
たのですが、先日、実感として「本当に
そうだ」と思うことがあったので、お話
ししたいと思います。
年長のAちゃんとの「おべんきょう」で
の1場面です。
お子さんによっては、ひらがなや数字
(場合によってはカタカナ、漢字、アル
ファベットも)の読み書きができても
おかしくない年齢です。
(我が子は、年長のこの時期、読み書き
はできず、興味もありませんでした💦
個人差は大きいです。)
Aちゃん、個別での「おべんきょう」の
場は楽しんでくれているのですが、
どうも集中力が続きにくい様子です。
取り組んでいたのは、ひらがなのマッチ
ング(鉛筆で書いたひらがなの上に、
同じひらがなを書いたシールを貼る)と
なぞり書きです。
一生懸命紙面を見つめながら、「がん
ばって」取り組むのですが、窓の外や
物音に注意が逸れ、お喋りが始まります。
なぞり書きは上手にできるのですが、
線と線が交差するところで、どちらに
進んでいいか悩んでいる様子もありました。
そこで、ひらがな練習は一度お休みして、
直線のなぞり書描きをしてみました。
すると、驚くほどの集中力で、
取り組みます。
お手本の点線からはみ出さないように、
丁寧に。
初めに使っていた黄色のクレヨンでは、
描いた線が見えづらいことに気づき、
別の色を使いたいと伝えることも
できました。
格子状に線が交差する時には、
途中で折れ曲がらず、まっすぐ線を
引き切ることもわかりました。
文字のマッチングも、なぞり書きも、
「できる」力は持っているAちゃん。
でも、集中して取り組むためには、
もう少し段階を踏んで、自信をつけて
いく必要があったのですね。
意欲があり、楽しんでもいたからこそ、
がんばってくれていたんです。
大人の目には、気が散る、手が止まると
いう行動は、やる気がないように見えて
しまうことがあります。
でも、それは
「すごくがんばってるんだ!」
「ちょっとしんどいよ…。」という、
子どもからのSOSかもしれません。
「おべんきょう」は、スモールステップで。
それぞれの段階に合った内容を。
意欲と興味を持ち続けることで、
少しずつ身についていくことを願って、
(大人が)焦らず、導いてあげることが
大切です。
「やってみよう(o^―^o)」と思えるために
時々、「大人と子どものリハビリって何
か違うところはあるの?」という質問を
受けることがあります。
違う点はたくさんあるのですが、わたし
が思う1番の違いは、本人が「リハビリ
の必要性」を認識しているかどうかです。
大人の場合、以前できていた能力を取戻
すための訓練という意味合いが大きい
ので、必要性がわかりやすいです。
体力面や精神的な負担から、取り組む気
力が低下することはあっても、訓練のメ
リット(気持ちを伝えられる、食べたい
ものを自由に、安全に食べられる等)は、
大人にとっては大きなものです。
でも、子どもにとってはどうでしょう?
ことばで気持ちを伝える…?
ママたちが読み取ってくれればいいじゃない!
いろんなものが食べられるようになる…?
これ(ミルク、ポテト、おにぎり等)が
おいしいんだから、これだけ食べていたいんだよ!
お友だちと遊べる…?
1人で(ママやパパとだけ)遊んでれば、楽しいよ!
「将来のために」「あなたのために」、
大人が必要だよ、できるようになるとい
いよ、と思うことは、子どもにとっては、
動機づけとしては少し弱いように思います。
わたしたちだって、子どもの頃、周囲の
大人が一生懸命「勉強しなさい」「コツ
コツやりなさい」と言ってくれていたの
に、「コツコツお勉強」なんてしなかっ
た人が多いのではないでしょうか?
少なくとも、わたしはしませんでした。
子どもの場合、大人が必要だと思う
「お勉強」に取り組むためには、その活
動そのものが、子どもにとって「楽し
い✨」「おもしろい‼️」ことが大切で
す。
「おもしろかった✨」「できた❗️」とい
う経験を積み重ねることで、子どもの興味
の幅や、楽しめる活動は増えていきます。
そして、大人の促しに応じることが「楽
しい✨」につながったという気づきが得
られて初めて、興味のない活動も「やっ
てみよう」と思うことができます。
大人との違いとしてあげた「必要性の理
解」、それは、必要性を理解するための
経験値の差とも言えます。
良かれと思って勧める、さまざまな取り
組みに、お子さんが応じてくれないこと
もあるかと思います。
それは、反抗したり、やる気がなかった
りするわけではないんですよ。
今はまだ、興味が持てないだけ。
子どもたちが、色々な活動を「やってみ
よう」と思えるように、経験値を積ませ
てあげる方法を、一緒に考えていきま
しょうね。
※子どもがやる気の出るほめ方や認め方を
保護者の方と共有できればと思います。
合わせて施設ブログもご覧ください。
「…で、これは何をするの?」
子どもから大人まで、幅広い年齢層に大人気
の、あるゲーム。
小学生の我が子も好きです。
でも、初めてこのゲームを操作した時の感想
は、「…で、これは何をするの?」でした。
実は、この「何をするの?(何のためにする
の?)」という困惑、子どもの生活の場面で
はよく見られます。
例えば、マラソンや字の練習…。
また、お集まりの時に「座っている」ことや、
「順番を待つ」ことも、そうです。
何のために走るの?
どうして何回も同じものを書くの?
なんで立ちあがっちゃダメなの?
(年齢によって、その場で立つ程度は許容
する場合もあります。)
早くしたいのに、なんで待たなきゃいけない
の?
大人の感覚では「当然」の活動でも、子ども
にとっては「目的のわからないことを強いら
れる」と感じることがあります。
もちろん、体力作りや文字学習、生活習慣や
社会性を身につけるため…。
目的はあるのですが、子どもにはわかりづら
いこともあります。
そんな時には、マラソン→お散歩、キャラク
ターの絵やタンバリンなどにタッチしに行く
よ❗️、字の練習→お手紙を書こう💌等。
子どもにとってわかりやすい「目的」を提示
してあげると、取り組みやすくなります。
「座って」「順番」も同様です。
座って、待っている間に、楽しめることを用
意しておくと、応じやすいです。
絵本などを読み聞かせたり、手元で静かに触
っていられるおもちゃを持っておいたり…。
さらに、「これをしたら終わり」「いつまで
でおしまい」という、ゴールがわかるともっ
といいですね。
わたしたち大人も、3年前、先行きもわから
ないままに「自粛生活」が始まった時、暗澹
たる気分になりましたよね?
「どういう理由で、いつまで、何をするか?」
がわかることで、子どもも大人も安心して行
動できます。
こうした工夫で、その場で求められることが
「できた❗️」→「ほめられた🎵」「楽しい
ことができた♪」「いいことがあった‼️」と
いう経験を積むことで、少しずつ望ましい行
動が身についていきます。
どのケースでも、「目的」は、子どもにとっ
て「楽しい✨うれしい💕」こと、「ゴール」
はわかりやすいことがポイントです。
「ほめて、ほめて💕」
進級・入園おめでとうございます。
今年度も、かわいいくじらの子ども
達の成長を支援していけることを嬉
しく思っています。
タイトルの「ほめて、ほめて💕」
は、ことばやコミュニケーションが
急激に伸びる直前のお子さんによく
見られる表情を、私なりに言語化し
てみたものです。
ことばや、コミュニケーション手段
を身につけようという動機となるも
ののうち、大きな比重を占めるのが、
この「ほめられたい」気持ちなので
しょう。
これは、この大人(あるいは、大人
というもの)は自分を認めてくれる
という信頼や、自分は尊重される存
在なのだという自信と言い換えるこ
ともできます。
自分の思いは聞いてもらえると信じ
られるからこそ、「伝えたい」「伝
えよう」という気持ちが起こります。
新しいチームで、新しい担任で、ま
たは、新しい園で…。
子ども達から「伝えたい」と思って
もらえるように、信頼関係を築いて
いきますね。
ちゃんと、聞くよ❗️
がんばりを見てるよ‼️
*保護者の皆様へ。
身振りや指差し、表情の変化はこと
ばへの第1歩です。
子どもからの発信を大人がしっかり
受け止め、こうしたやりとりを楽し
むことの積み重ねが、コミュニケー
ションを育む土台となっていきます
よ。
もうすぐ4月
桜が咲き始めました。
今年度もあと少しで終わりますね。
STでの「おべんきょう」でも、
色々なことをしました。
新年度が始まった頃には、
数字・ひらがなの練習や、
その準備段階として、シールや
スタンプを使った遊びをたくさん
しました。
注意深くお話を聞く練習として、
楽器やCDを使って「音当て」
クイズもしました。
夏にはバスボムを作りました。
お正月には「緋のカブ」の漬物を作りました。
おひな祭りには、着物を着てみましたよ。
最近は、年長さんを中心に、
数字のパズル「ナンプレ」を
しています。
ことばの学習とは関係ないように
思える活動が、たくさんあるでしょう?
確かに、これらの活動そのものは、
ことばに直結する訳ではありません。
バスボムや漬物が作れなくても、
人生に何ら問題はありません。
教材は子ども達にとって
「楽しい✨活動」と感じられるものを‼️
ものづくりの大好きな子ども、
多いです。
好きなこと、興味のあることから、
それぞれの課題や伸ばしたいところに
アプローチしています。
*通常、子ども達はすぐに結果が
見えない活動は、苦手です。
だから、普通の漬物作りは、
「おべんきょう」の導入としては
やや難易度が高いように思います。
松山市の特産品「緋のカブ漬け」は、
柑橘酢を加えてすぐに白っぽいカブが
鮮やかなピンク色になるので、
変化がわかりやすく、教材として
おすすめです。
「おべんきょう」は必要なこと
なんだから、我慢して頑張ろうね、
というのは、大人の理屈です。
苦手なことを、退屈な方法で学ぶのは、
子どもにとってはしんどいことです。
少しだけ頑張ったら、
とっても楽しいことができたよ❗️という
経験を積むことが、「おべんきょう」の
導入としては大切です。
卒園する皆さん、
どうか新しい場所でも、
元気で、楽しく過ごしてね。
進級する皆さん、
来年度新しく入園する皆さん、
楽しいことをたくさんしましょうね。
一緒に「おべんきょう」できる日を
楽しみにしています😊
「4月になったら…。」
もうすぐ卒園するAちゃんが、
最近よく口にすることばです。
「Aちゃん、4月になったら○○小学校に行くの。
くじらには来ないんだ、ごめんね。」
そう、4月からは1年生。
楽しみですね。
そして、見送る私たちは、
少し寂しい…。
ご家庭で、チームでの活動で、
折に触れて「4月になったら」の
お話をする中で、センターのお友だちや
職員とはお別れになること、
Aちゃんとのお別れを
寂しく思っていることを
理解してくれているんですね。
見送る側の気持ちなんて、
私は大学卒業の時ですら
考えなかった気がします。
Aちゃん、すごいなあ。
新しい環境に混乱しない
子どもは、多分いません。
大人ですら緊張しますよね。
小学校に行くんだよ。
幼稚園や保育園に行くんだよ。
新しい環境(学校や園)では、
こんな活動をするよ。
新しいお友だちができるよ。
クラスや担任の先生が
変わるかもしれないよ。
(進級して)違うお部屋に
行くようになるよ。
「4月になったら」、
色々な変化があります。
たくさんお話をして、
予告しておくことで、
混乱を軽減することができます。
Aちゃんのように、
他者の心情に気づくことが
できるかもしれません。
特に、小学校入学、
幼稚園・保育園入園など、
大きな節目を迎えるお子さんには、
「4月になったら」のお話を
してあげてください。
数字に興味のあるお子さんなら、
カレンダーを見ながらの説明も有効です。
説明を理解していないように
見えても、その場面になった時、
「あ、このことだったのね」と
つながることもありますよ。
絵カードの使用例
センターのお別れ遠足での、Aちゃんの
お話です。
明確なことばこそ出ませんが、大人の声
かけや、その場の状況などは理解できて
いるお子さんです。
普段は少人数のチームで過ごしています。
少しだけ心配していたのが、初めての場
所・活動は苦手で、大人数の中で座って
お話を聴くのも、得意ではない点です。
(大抵のお子さんはそうですね。)
いつもと違うメンバー、初めて行く場所、
初めてする活動…。
どうすればAちゃんの不安を軽減し、楽
しく過ごすことができるでしょうか?
用意しておいたのは、絵カードです。
Aちゃん、声かけでも理解できるのです
が、視覚的な提示がある方が、より納得
し、安心できるようなのです。
全体でのお話や、ゲームなどの説明の間
も、「おあつまり」の絵カードを握り、
「今はお話を聞く時なんだね。」という
ように、前に立つ職員とカードを見比べ
ながらその場で座って過ごすことができ
ました。
場所を移動する時にも、行き先や次の遊
びのカードを見ることで、落ち着いて動
けました。
これは絵カード使用の成功例の1つです
が、注意しておきたいことがあります。
「カードを提示する」は、その通りに
「行動できる」とイコールではないとい
うことです。
視覚的に示すことで、状況や求められて
いることが「分かる」、「安心できる」
ことが、カードの第一の目的です。
次のステップ=その行動が「できる」た
めには、「分かった」→「した」経験を
積んでいく必要があります。
やってみたら「いいことがあった(嫌
じゃなかった)」ということを繰り返す
ことで、声かけや求められている行動に
応じられるようになっていきます。
例えば、お返事をしたらほめられた、席
に座ったらおもちゃをかしてもらえた、
泣かずにことばで伝えたら、気持ちを聞
いてもらえた(思いが全部叶えられなく
ても)、待っていたらゲームを楽しめた
等々です。
大人が求める行動に応じたら嬉しいこと
があった」という経験を積み重ねること
が、子ども達の中に「できる」下地を
作っていくことにつながります。
冒頭のAちゃんの場合、今すること、次
にすることをカードで知らせることで、
安心して活動に参加できました。
でも、カードを見て分かったからといっ
て、必ずしも「できる」とは限りません。
それぞれのお子さんの発達段階に合わせ
て、一歩一歩「できる」に近づく支援を
していきたいですね。
また、「カードを見たよ」→「分かった」
→「でも、イヤなの!」ということもあ
るかもしれません。
その反応は、何がイヤなのか、どうすれ
ば「できる」のかを探るためのヒントに
なります。
カードを使って「できた!」とならなく
ても、そのお子さんにとっては力になっ
ているものはあるんですよ。
「投げちゃうよ🥎」
何でもポイポイ♪と投げちゃう時期
ってありますね。
掴む→投げるという動作ができるよ
うになると、その行動自体が楽しか
ったり、物が飛んでいくことや、人
が反応してくれることが面白かった
り…。
でも、硬い物、重い物、壊れやすい
物や、角のある物等々、投げて欲し
くない物もあります。
そんな時、どうしていますか?
目を合わせて「ダメ❗️」と言い聞か
せますか?
「ダメ」の声かけに応じられるお子
さんなら、それも有効です。
顔を見てお話するのは大切ですね。
「ダメ」なのは分かっても、まだ幼
くて、例えば積み木を積み上げる
等、他の遊び方を知らない・できな
い場合には、投げることが遊びにな
ってしまうのも仕方がないことかな
と思います。
そんな時には、「優しく置くんだよ」
「積み積みしようね」と、遊び方を
教えてあげる方が、より有効な場合
があります。
声かけでは伝わりづらいお子さんに
は、そっと手を添えて、「こうする
んだよ」と、一緒に積み木を積んだ
り、そっと置いたりするといいです
ね。
投げてしまう前に、望ましい行動を
示すことができれば、より身につき
やすいようです。
「投げちゃダメ」はわかるけど、
身体が動いてしまう場合には、投げ
てもいいおもちゃや場所を決めて楽
しむのも1つの方法ですよ。
「ない」は難しい…
数学の世界において「0」という概念が
発見されたのは7世紀のインドと
言われています。
人類の歴史から考えると、意外に新しい
出来事です。
「ない」「ゼロ」ということは、
それだけ認識しづらい概念なのでしょう
ね。
先日、降園のバスに添乗していた時の
ことです。
3歳のAちゃんは、上機嫌で歌って
いました♪
たくさんの歌を知っていて、とても上手
だったのですが、
1曲だけ「ん?」と感じたのが、
「カエルの合唱🐸」です。
カエルの鳴き声のところ、「くわ♪」の
回数が多くて、なんだか忙しそうです。
よく聞いていると、どうやら「休符」が
ないんですね…。
「お休み」「音・歌詞がない」という
状態が認識しづらかったのでしょう。
そういえば、昔々ピアノを習い始めた頃、
音符を「♩タン♫タタ」等とリズム読み
をする中で、休符の部分を必ず「ウン」
と声に出して読むように指導されたよう
に思います。
「音がないところなのに、どうして
わざわざ声に出すんだろう?」と不思議
に思っていたのですが、「音がない」こと
を意識するための工夫だったのでしょうね。
実は、「ない」が意識しづらいのは、歌
の場合に限ったことではありません。
お子さんに対して、「走らないで🏃」
「立たないで❗️」「触らないで🚫」等、
「〜しない」という言い方をしていま
せんか?
この言い方、大人にとっては自然な表現
なのですが、小さな子どもにとっては
少し難しいようです。
「〜しない」のは分かった。
じゃあ、どうすればいいの?
…といったところでしょうか。
「歩いてね🚶」「止まって🅿️」
「手はお膝だよ」など、具体的にする
ことを伝えてあげた方が、子どもに
とっては応じやすいです。
「子どもが言うことをきかない」のは、
反抗しているわけではなく、どうすれば
いいのかわからなくて困っているのかも
しれません。
子どもにとって「伝わる」「わかる」
方法で、伝えることを意識していきたい
ですね。
「ない」は、7世紀以前には大人ですら
知らない概念だったことをお忘れなく。
「机」なのか?「椅子」なのか?
大学時代に言語学の先生から聞いたお話です。
「ことばは単に物の名称を表す場合と、
意味(用途)を表す場合がある。」
ヨーロッパへの留学経験のあるその先生は、
小柄な方でした。
日本に比べ平均身長の高いヨーロッパのバー
には、浅く腰掛けるタイプの丸椅子が多かった
そうです。
長身な欧米の方が、床についた爪先でバランス
を取るように座る、スタイリッシュな高い椅子
です。
…日本人としても小柄だったその先生には、
高すぎて座面に届かなかったそうです。
「それは椅子という名前のついた物体だったけれど、
意味的には椅子ではなかった。
わたしにとっての椅子は(そのお店では)
ワインの空き箱だった。」
こんなことを思い出したのは、保育室にある
ピンク色の机がきっかけです。
この机、どういうわけか、子ども達がやたらと
座ったり、上に乗ったりするんです💦
普段、他の机には座ったりしない子も、
このピンクの机にはヒョイっと座ってしまうことが
あります。
なぜかしら?と、見ていると、この机、子ども用の
椅子の座面と同じくらいの高さなんです。
上述の言語学の先生と同じようなことが
起こっているんですね。
ピンクの机は、大人にとっては「机」でも、
子ども達にとっては「椅子」なのでしょう。
子ども達が座るのももっともです。
だって、彼らにとってそれは椅子なんだから。
でも、「座っていいよ。椅子と同じ高さだもんね」
という訳にはいきません。
では、どうするか?
それは、年齢や発達段階によって違います。
例えば4、5歳のお子さんなら、「これは
机だよ。降りて」と、繰り返し伝えます。
「ダメ❗️」「座らないで」(禁止)ではなく、
「降りて」と、今してほしい行動を具体的に
伝えるのもポイントです。
2、3歳のお子さんなら、使わない時には
目につかないところに片付けます。
声かけを理解したり、応じたりするのが
まだ難しいお子さんには、してほしくない行動
(机に座る)を誘発する刺激(座りたくなって
しまう高さの机)を、除去することも有効です。
これには、その行動を習慣として学習しまうこと
を防ぐ意味もあります。
他の場面でも、例えば思いが叶わなかった時や、
注意を引きたいときに、大人やお友だちを
叩いてしまうお子さんの場合。
どうやって伝えたらいいのか、自分を見て
もらうにはどうすればいいのか、わからなくて
手が出てしまうことがほとんどです。
「イヤだったんだね」「こうしたかったんだね」
と、気持ちを受け止め、代弁したり、
「ナデナデだよ」と手をとって撫でさせるなど、
具体的な行動を示すことで、望ましい
学習することができます。
ただし、叩いたら思いが叶ったということが
たびたびあると、叩くことがコミュニケーション
の手段として定着してしまうこともあります。
「叩いた」という経験をしてしまう前に
制止してあげたいですね。
子ども達が、大人から見て「よくない行動」を
する時には、大抵、何かしら理由があります。
また、「子ども」は、大人に比べ、経験も知識も
ずっと少ないですから、どうすればいいのか
知らなかったり、間違って覚えていたりすることも
あります。
大人とは違う見え方(ピンクの机が椅子に見えるなど)
をしていることもあります。
それぞれの「理由」に応じて、望ましい行動が
できるよう、支援していきたいと考えています。
「感覚の違い」への気づき方
カマキリの音色✨の話題、今回で最終
です。
他者と違った感じ方について、その内容
や影響をお話してきました。
でも、まだ自分でしっかりお話できない
子どもの場合、わたし達大人はどんな
ことから気づいてあげることができるで
しょう?
いくつか、手がかりとなる行動を
挙げてみますね。
①聞こえ方
・カミナリ・風船の割れる音など、
大きな音や突然の音で泣いたり、大人に
しがみついたりする。
・高い音(ピアノ、子どもの泣き声等)
を聞くと怒ったり、その場から逃げ出し
たりする。
・耳をふさぐ。
②見え方
・明るいライトや太陽の光に目をパチパチ
する。
・目を合わせるのを避ける。
・片目を閉じたり、覆ったり、目を細め
たりする。
③その他(味覚、嗅覚、触覚等)
・偏食が多い。
・色々な食材の混ざった食べ物が苦手。
・見えないところで(後ろから、机の下
等)触られるのを嫌がる。
・散髪・爪切り・歯磨き等を嫌がる。
・特定の服を着ない。または、特定の服
しか着ない。
・感触を楽しむ遊び(粘土や絵の具等)
をしない。お友達がしているのを見ても
怒る。
・乗り物に酔いやすい。
・ブランコや滑り台などの、動きのある
遊具に誘っても遊ばない。
これらは、他者と違った感じ方(感覚
過敏)のある子ども達によく見られる
行動の一部です。
…とはいえ、例えば「歯磨きを嫌がる」
なんてよくあることですよね?
お気に入りの服しか着ないことだって、
大抵の子どもが成長過程で一度は通る道
です。
大切なのは、子どもの行動で、大人が
「困った」と思うことには、その子なり
の理由があるかもしれないと思って
受け止めてあげること。
そして、それらの行動が、どのお子さん
にもよくある「イヤだよ👅」なのか、
どうしても許容できない「助けて!」
なのか、観察してみましょう。
もし、他の「イヤだよ👅」とは違う
反応をしているように感じるなら、
その子の望む対応を試行錯誤してみると
いいのではないでしょうか?
(その場から遠ざかるなど、嫌いな刺激
を避けたい?それとも、身体に触れる前
にことばや絵で予告するなど、見通しが
立てば許容できる?)
さて、大人が困っちゃうようなその行動、
子ども自身は、本当は何に困っていて、
わたし達に何を訴えているのでしょうね?
みなさん、お子さんのお困りの行動が
あれば、ぜひお寄せください。
一緒に理由や対応を考えていきましょう!
「やさしい日本語」
松山市内で行われた、国を越えて防災を考える行事に
参加しました。
その中で、日本語で書かれた防災情報(難解な表現が
多いですね…。)を、他言語話者に伝えるというワーク
がありました。
日本語以外を母語とする方に伝わりやすい、日本語表現
を「やさしい(易しい&優しい)日本語」と呼ぶそう
です。
その「やさしい日本語」のポイントとして挙げられた項目
が、子ども達に伝わりやすい話し方とも共通すると感じた
ので、ご紹介します。
①1つの文を短くし、簡単な構造にする。
文が長く、構造が複雑になると、結論が分かりにくく
なりますね。
最後までお話を聞かないと結末が分からないので、
話し終わるまで我慢して聞く必要があります。小さな
子どもにとってはしんどいです。
②難しいことばは、簡単な語彙に言い換える。
含まれることばの意味がわからないと伝わらないです
よね。
音声言語だけでなくジェスチャーやイラストなどで
伝えることも有効です。
③文末はなるべく統一する。
日本語学習の初期は「です・ます」調で習うため、
「です・ます」で統一した方が伝わりやすいそうです。
日本語圏で生活する幼児の場合は、「です・ます」調
である必要はありませんが、尊敬語、謙譲語、その他の
文末表現での細かなニュアンスは伝わりにくいかも
しれませんね。
④曖昧な表現は使わない。
結論が分かりづらくなります。
小さな子どもも、「ちょっと」とか「少しだけ」と
いう表現は苦手なことが多いです。
「10数えたら」「1つだけ」など、具体的な数値
を示してあげると分かりやすいですね。
他言語話者と、子どもたち。
全く同じというわけではありませんが、日本語学習初心者
という点では共通するところがあります。
異なる分野からも、学ぶことがたくさんあるなと感じた
経験でした。
続・カマキリの音色✨
先週に引き続き、「感覚」の個人差のお話
です。
私の場合、「カマキリの音」のように、特
定の動きを見た時に、音を感じることが
たまにあるという程度で、別に困ることも
なければ、役に立つわけでもありません。
ですが、こうした他者と違った独特の
「感覚」が、生活や発達の阻害要因となり
得るケースもあります。
例えば、特定の音を聞くと怒りや恐怖、
不安など、否定的な感情が引き起こされる
とか、言語音(特定の単語の場合もある
ようです)を聞くと、視界が歪んで見える
とか…。
(私はSTなので、音に関連するものを
挙げましたが、聴覚以外の感覚でも、この
ような現象は起こり得ます。)
もしも、楽器の音にひどく不安を感じるの
なら、幼稚園・保育園等でのダンスや
お遊戯の時間は、その子にとっては、
つらいものかもしれません。
苦手な音を避けるための退避スペースを
作っておく等の配慮をしてあげたいですね。
もしも、「ことば」を聞くと、目の前の
ものがぐらぐらと揺らいで見えるのなら、
「お話を聞いて」という大人の要求は、
その子にとっては難しいことかも
しれません。
口頭での説明は短めに、視覚的な提示が
有効と思われます。
また、将来を見据えるなら、少しずつ
その子に合った方法で文字学習も進めて
いくといいでしょう。
他の子ども達と同じに振る舞えない、
働きかけに応じられない原因は、
「わがまま」や単なる発達の遅れ以外の
ところにはないかしら?
もし、他の原因があるのなら、私たち大人
が関わり方を工夫したり、必要な配慮を
することで、子ども達の行動が大きく
変わるかもしれませんよ。
*「共感覚」:ある1つの刺激に対し、
通常の感覚だけでなく、異なる種類の感覚
が生じる知覚現象。
共感覚を持つ人は23人に1人の割合である
という研究もありますから、1クラスに1〜
2人はいることになりますね。
余談ですが、「共感覚」とは、また別の
感じ方の違いとして、当センターのある職員
は、大人になった今でも、「着ぐるみ」が
怖いそうです。
私は、鳥の羽(特にクジャクやインコなどの
カラフルなもの)が、怖くて触れません。
普段、特に困ることなく社会生活を送って
いる大人ですらそうなのです。
まして生活経験の少ない子ども達なら、イヤ
なもの、コワイもの、あるいは好き過ぎて
テンション上がっちゃうものが、私たち以上
にあるかもしれません。
お食事や就寝、落ち着いて活動したい場面
では、必要に応じて「刺激」(音や、目に
入るもの等)を調節してあげたいですね。
カマキリの音色✨
実は私、最近まで、カマキリの赤ちゃんたちは、
動きに伴って音がすると思っていました…。
「ちょっと何言ってるのかわからないわ⁉️」と
おっしゃる方がほとんどだと思うのですが💦
孵化したばかりのカマキリの子が、卵からワラワラ
と出てくる様子を見たことがあるでしょうか?
行進するかのようなその様子は、可愛らしく、
微笑ましいのですが、その時に、キラキラ✨と、
小さな金属がたくさんぶつかるような、高く、
澄んだ音♪、ちょうどウィンドチャイムのような
音色が聞こえる…と、感じます。
わりと最近気づいたのですが、カマキリの行進に
音なんてないそうですね…。
この感覚を、私は「感覚が混線している」と表現
しているのですが、どうやら「共感覚」と呼ばれる
現象に近いようです。
「共感覚」とは、ある1つの刺激に対し、通常の
感覚だけでなく、異なる種類の感覚が生じる知覚
現象を言います。
例えば、数字や月、曜日等に色を感じる等という
ものが有名です。
音に色や味を感じるという人もいます。
ヒトの感覚って不思議ですね。
同じ刺激を受けても、全く違った感じ方をしている
かもしれないんです。
次回は、この感じ方の不思議と、子ども達の行動
や、困りごとについて、考えてみたいと思います。
ライナスの毛布
ピーナッツ(スヌーピー)🐶に登場する、ライナスと
いうキャラクターをご存知でしょうか?
いつも青い毛布を持っている、小さな天才少年です。
ボロボロの毛布ですが、この毛布がないと気持ちが
落ち着かず、天才っぷりを発揮できなくなります😣
自分のお子さんや、関わっている周りの方で、切り替えの
手段がなかなか見つからないとお悩みの方がいらっしゃい
ましたら、
この子の好きなものは❓落ち着けるアイテムは❓と、
探してみてあげるといいですね。
誰しも「ライナスの毛布」があるのではないでしょうか?
センターの子ども達の中にも、お気に入りの
ぬいぐるみ🧸や小さなボール、絵本📕などを持って
登園するお子さんがいます。
(登園後は、紛失・破損などのトラブル防止のため、
カバンにしまっています。)
Aちゃんは、どんぐりや、植物の種が好きで、
かんしゃくを起こしそうになると、
「どんぐり欲しい。」
「松ぼっくりちょうだい」
などと言って、タネを握ることで自分を落ち着けようと
します。
ご家族としては、「センターにおもちゃを持って行かせて
いいのかしら?」「特定のものがないと落ち着けなくて
大丈夫なのかな?」と心配になるかもしれません。
でも、今は、これでいいんです。
落ち着ける手段を持っていることが大事❗️
まずは、「特定のお気に入りがあれば落ち着ける」
ということから。
もう一歩進んで、Aちゃんのように、
「これがあれば落ち着ける」とわかって、自分で自分を
なだめる(なだめようとする)ことができれば、更に
エライですね。
そして、代わりのものでもいいように、「そのもの」が
なくても、心を収められるように、少しずつシフトして
いけるといいですね。
ちなみに、私にとっての「ライナスの毛布」は、
ン十年前に親戚のおじさんから貰った腕時計です。
身につけていなくても、「机の引き出しの中にあの
腕時計がある♪」と思えば、いつだって、
私は無敵です‼️
ある日の攻防
クレヨンって、周囲に紙を巻いているものが多いですよね。
たくさん描いて、クレヨンが短くなってくると、この紙が
邪魔になって色がつきにくくなります。
お絵描きが大好きなAちゃんは、描きづらくなると、
「これ、剥がして❗️」と、職員にクレヨンを手渡して待って
います。
「紙」のせいで描きづらいこと、紙を少し剥がしてもらうと
描きやすくなることに気づいたんですね。
ある日、十分にペン先が出ていて、
お絵描きに支障がない(ように見える)クレヨンを、
「剥がして❗️」と差し出すことがありました。
大人の目には、紙を剥がす必要はないように見えます。
それでも、「剥がしてよ‼️」と繰り返し手渡します。
「使えるよ🖍」と返すと、とうとう自分でペリペリと紙
を剥がそうとします。
自分でできるのはいいことなのですが、手が汚れるので、
全部剥がしてしまいたくはないんですよね…。
大人の都合ですが💦
さて、そこでクレヨンをじっくり観察してみます。
他のクレヨンは描きづらくなければそのまま使うのに、
このクレヨンだけ、どうしても紙を剥がして欲しいのは
なぜなのでしょう?
…よく見ると、Aちゃんの指がちょうど触る部分の紙が、
擦り切れて毛羽立っています。
どうやら、これが嫌だったのですね。
マスキングテープでクルリと巻いてケバケバを抑えると、
納得してお絵描きを続けました🌀
発達支援の必要な子ども達は、「こだわりがある」
「切り替えの苦手さがある」と周りの人が困ったり、
言われたりすることがあります。
その「こだわり」は、ほんの些細な、何でもないことの
ように見えるものもあります。
でも、Aちゃんのクレヨンのように、子ども達なりに理由
があることが多くあります。
それらの理由を、全部くみ取るのは難しいこともありますが、
「何か理由があるのかな❓」と気にかけて、寄り添う姿勢を持ち、
かかわりながら「『ここ』が気になるんだ」「イヤなんだ」と
伝えられるようなその子なりの手段、方法を探していくように心がけています。
「うさぎ🐇」の年です🎍
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年はうさぎ🐇年ですね。
ピョンピョン跳ねるウサちゃんにあやかり、
飛躍・向上の年とも言われます。
それから、陸上競技(長距離走)の世界では、
より良い記録を出すために伴走するランナーの
ことを「ラビット」と呼ぶそうですね。
若い頃に勤めていた学習塾で、先輩講師から
たびたび言われたのが、
「子どもにとっての、良き伴走者であれ」
ということです。
大人が「教える」というスタンスだと、
応じにくい子ども達は多いです。
また、大人の側にとっても、子ども達の様子や、
本当の「思い」が見えにくくなります。
「上」から、または「はるか前方」から、
「こっちだよ❗️さあ、がんばって‼️」というよりも、
傍らに寄り添って、一緒に走る方が、
大人の意図や、今するべきことがわかりやすいです。
大人にとっても、表情やちょっとした仕草などから
子ども達が何に困っているのか、どうして応じられないのか、
または、どうしたら応じられるのか、支援の手がかりを
見つけやすいです🔎
今年はうさぎ年🐇
子ども達にとっての、良き「ラビット🐰」を
目指します。
(このことは、社会福祉法人くじらの保育で大切にしている
ことのうち、「個々のやりたいことを達成できる伴奏者になる。」
という一節ともつながっていきますね。)
*来週1月9日(月)は祝日のため、10日(火)の
更新とさせていただきます。
年末年始🎍
この週末はクリスマスでしたね。
皆さんのお家にはサンタクロース🎅は訪れたのでしょうか?
(我が家の小学生のところにも来たのですが、プレゼントを抱きしめて
「ありがとう❤️」と言われたので、正体は知っていそうです。)
さて、次はお正月ですね🌅
年末年始に旅行や帰省を計画されているご家庭も多いでしょう逆に、帰省する親族を迎えるご家庭もあるでしょうか?
いつもと違う生活の流れに、子ども達が戸惑うことがあるかもしれませんね。
可能であれば、就寝・起床時間や、お食事、歯磨き、お風呂等々のルーティンを、
大きく変えることのないように、生活リズムを整えてあげたいところです。
…とはいえ、全くいつも通りに生活するのは難しいと思います。
そこで、有効と考える工夫として、「予告」することをオススメします。
写真や絵などで、「ご飯🍙を食べるよ」「歯磨き🪥するよ」
「おうち🏠に帰るよ」などと知らせてあげることで、
普段と違う流れでも、応じやすくなります。
「10数えたら〜するよ」という声かけも有効なことが多いです。
数字が読めるようなら、時計を見せて、「(長い針が)〇〇になったら」
というのもいいですね。
私は、分針の先にてんとう虫のシールを貼って、マスキングテープで作った
お花で数字を指定し、「てんとう虫がお花に止まったら」と声かけしていました。
大きいお子さんなら、1日の流れやお休み中の予定を、簡単な予定表やカレンダーなどで
一緒に確認するのもいいかもしれませんね。
これらの工夫は、できれば、特別な時に急に提示するのではなく、
普段から少しずつ取り入れておくと、子ども達にとってわかりやすく、
安心して活動できる環境になります。
簡単なものでいいんですよ!
特に切り替えの難しいこと(お外遊びはおしまい→おうちに帰るよetc.)だけ、
絵を描いたり、写真を印刷しておいたりするのでも十分です。
ご参考までに。
当センターにじチーム(2〜3歳児少人数クラス)で提示している予定表です。
ホワイトボードに順番に貼ることもあれば、次の活動のカードだけを見せることもあります。
初めて提示される時は、1つか2つの予定を見せてあげる方が分かりやすいと思います。
これらは、お子さんが次の予定が分かり、納得して行動できるためのものとして活用しています。
(大人が一方的に出しても効果は見込めないことがありますので、ご注意くださいね。)
※次回のことばの種は、年末年始の休業をはさみますため、年明けの4日に掲載いたします。
皆さまよいお年をお迎えください。
いろいろな「ことば」のあり方
数年前に「アイスバケツチャレンジ」で話題になったALS(筋萎縮性側索硬化症)をご存じでしょうか?
少しずつ手足が動かなくなり、症状によっては発音や発声が難しくなる場合もあります。
体が動かなくなっても意識や認知機能が保たれることが、この病気の特徴の1つですから、
会話ができなくなる前に、声以外でのコミュニケーション手段を確保することが重要です。
そこで、コミュニケーション手段として活用するのが、眼球運動です。
例えば、「YES」なら左を見る等のサインを決めたり、五十音表等を見ながら、
注視した文字を介助者に読み上げてもらったり…。
声にはならなくても、これらは大切な「ことば」です。
とはいえ、倦怠感や痛みがあったり、病状が進行していくことへの精神的な苦しさがある中で、
新たな手段を訓練していくことに、前向きになれない患者さんは多くいらっしゃいます。
そんな中で、訓練をがんばる原動力として、大切なものが2つあります。
1つは、伝えたい「思い」です。
ご家族への感謝の気持ちであったり、身のまわりの介助に関する要望だったり…。
2つ目は、その方法で「伝わる」という自信、「伝わった」ことによるメリットです。
新しい方法を試して、伝わりづらいとき、相手に遠慮して伝えることをためらったり、
「どうせ伝わらない」と諦めてしまったりする患者さんはとても多いです。
これらの2つのことは、ALS患者さんだけでなく、コミュニケーションを望むすべての人にとって大切です。
もちろん、言語習得期の子ども達にとってもです。
泣いたり、怒ったり(時には叩いたり、噛んだり)して、人に伝えたい「思い」が出てきたら、
次は「伝わる」喜びを経験させてあげましょう。
「こうしたかったんだね」「悲しかったね」などと、気持ちを代弁してあげることで、
「伝わった」「わかってもらえた」ということを、子ども自身が実感することができます。
そして、より適切な伝え方(泣く、怒るから、ジェスチャーや「ことば」)ヘシフトできるように、
導いてあげたいですね。
子ども達なりに伝えた時、「わかってもらえた!」「思いがかなった♪」という経験を積んでいくことで、
「ことば」は身についていきます。
何と言いたいのか読み取れない時には、状況から推測して「○○かな?それともこっち?」と
確認してあげたり、ただ相槌を打ってあげたりするのでも、十分やりとりの楽しさを味わうことは
できると思いますよ。
「ことば」ってなあに?
あるお友だちのお話です。
声に出しての「ことば」は、まだ少ないのですが、
実はたくさんのことばを知っています。
ひらがなや数字、アルファベットも読めます。
今は、両手の指でアルファベットの形を表すのが「マイブーム」で、
職員の手をとって「こうするんだよ」と言うように教えてくれます。
それならば、指文字(指の形でアルファベットや数字、五十音を表す視覚言語)
もできるかしら?と、保育室に表を貼ってみたのですが、
今のところ興味はないようです。
ところで、聴覚に障がいのないお子さんに、指文字や手話を教えることに、
意味はあるでしょうか?
私は、「本人が楽しめるのなら」という条件付きで、意味のあることだと
思っています。
「ことば」とは何か?と考えるとき、1つには意志伝達の手段というのが、
大きな役割といえます。
もっと習熟すれば、単に要求を伝えるだけでなく、お互いの思いを伝え合う等、
コミュニケーション手段にもなります。
他にも、自分の気持ちを言語化して整理したり、考えを深めたり、
ことば遊びを楽しんだり…。
いろいろな役割を持つ中でも、やはり他者とつながるための「架け橋」的な
役割が基本であり、重要であると考えます。
そうすると、意思表示の手段は必ずしも音声言語でなくてもいいかな?と思います。
ジェスチャーでも、手話でも、文字でも…。
表情の変化だって、周囲の人が上手に読み取ることができれば、十分に伝達方法と
なりえます。
それらの手段の1つとして、指文字や手話があってもいいでしょう。
(無理に教える必要はないんですよ!)
まずは伝わることが大切!
家族の中だけで通じる身振りや発音でもいいんです。
それらは十分に「ことば」の代わりになりえます。
私たちは、そうしたお子さんそれぞれの意思伝達を読み取り、
反応を返せるように努めます。
そして、身近な人と通じ合い、伝わることを楽しめるようになったら、
「万人に伝わる」こともまた大切な要素です。
より大勢に伝わる手段を得られれば、子ども達の世界は広がりますよ。
友だちのお話
私の友人は、補聴器🎧を使っています。
小学校の入学式の日に出会った彼の第1印象は、
なんだかカッコイイ「メカ⚙」を身に付けている、
体と声の大きい男の子でした。
私が生まれて初めて出会った「障がい」のある子どもだったのでしょうが、
内緒話がしづらい以外は、ごく普通の友だちです。
聞き取りにくい時には、本人から「もうちょっと大きい声📢で」とか
「ここ(補聴器のマイク🎤)に向かって話して」とか、対応方法を伝えてくれるので、
特に不便なくコミュニケーションを取れます。
(友人自身も「不便なく」と感じてくれているといいなと思います。)
ところで、私は小学校に入学した時、幼稚園より先生の指示や説明が
わかりやすいと感じたのですが、ひょっとしたら、この友人のおかげだったかも
しれないと、最近思っています。
おそらく先生たちは、保育園の頃から補聴器を使用していた彼のために、
視覚支援👀を多く取り入れるように意識していたでしょう。
一般的な小学校1年生のクラス運営と、どのくらい異なるものだったかは
わかりませんが、口頭での説明や指示を必ず板書されていたのを覚えています。
あらかじめ用意されたイラストや写真📷を黒板に貼ることでの説明も
多かったと思います。
クラス全体に向けて、挙手✋を促したり、お返事を求めたりすることで、
理解できているかどうかの確認もしてくださっていました。
そのおかげで、先生の説明はわかりやすく、また、理解しづらいまま
置いてきぼりになることなく、小学校生活を送ることができました。
「聞こえにくい」子どものために合理的配慮がなされると、
「聞こえる」子ども達にとっても、大人のお話や、活動の見通しがわかりやすく、
心地よい集団生活を送ることにつながります。
学校だけでなく、家庭や職場などでも、こうした配慮が自然に行われれば、
聞こえだけでなく、知的能力や認知特性など、様々な「わかりづらさ」を
抱えたみんなにとって、より生きやすい世の中になりますね。
実物とイラスト
私が小学生(中学生だったかも?)の頃の、国語の教科書に載っていたエピソードです。
どこだったか、いわゆる「未開の地」の少数部族の子ども達に、カエル🐸のイラストを描いて見せると、「カエル」だと伝わらなかったと言うのです。
キャラクター化されたかわいい「カエル」の絵を、私たちは「カエル」と認識するけれど、それは、その文化の中で学習された結果であって、普遍的に通用するものではないというお話だったと思います。
そう考えると、子ども達への「視覚支援」の在り方も、少し考えないといけないことがあるように思います。
「絵を見せても、ちっとも伝わらない、応じてくれない…。」という時、その視覚支援は、そのお子さんの発達段階にとって適切なものを提示できているでしょうか?
「小さな子どもだから、かわいいイラストで❗️」という配慮は、もしかしたら逆効果の場合もあるかもしれませんよ。
ことばを含む様々な認知(学習)が未熟な場合に、認識しやすいのは、実物(その子が実際に使うもの)→実物(同じ用途・カテゴリーの別のもの)→写真→写実的な絵→イラスト→文字の順になるでしょうか?
これらを大人が意識することなく、その時期を通過してしまうことも多いのですが、ゆっくり発達していく子どもの場合は、少し気をつけてあげるといいですね。
もし、お子さんがかわいいイラストで構成された絵本に興味を示さないようなら、視覚支援は写真や実物で行ってあげた方がわかりやすいかもしれませんよ。
ただし、提示されたものの意味は理解していても、別の理由(「見たけど興味がない」とか、「今はしたくないよ❗️」とか、「今している遊びを続けたいんだ🧸」とか…。)で応じられないという場合もありますので、要観察🔍です。
「先生」が大好き❤️
センターの子ども達と一緒に近所の公園へお出かけした時のことです。
何組かのご家族連れの先客があり、一緒に遊ばせてもらいました。
年齢の近い子ども達ですから、追いかけっこしながら笑い合ったり、
遊具の順番を譲り合ったり、時には取り合いになりそうになったり…。
良い刺激になり、子ども達、とても楽しめた様子でした。
その中の1人のお子さんは、ニコニコと全開の笑顔で近づいてきて、
私たち職員ともたくさん関わってくれました。
「先生」というものが大好きなのだそうです。
どちらの園に通われているのかはお聞きしませんでしたが、
きっと優しく温かい雰囲気の園なのでしょうね。
お母さんは、ただの世間話として話してくれましたが、
このことは、お子さんにとって素晴らしい宝物だと思います。
園生活を安心して送れるだけでなく、「大好き❤️」な人の声かけや促しは聞き入れやすく、
ことばや生活習慣、様々な活動が身につきやすいからです。
子どもって、わかりやすい声かけや関わり方をしてくれる大人のことが、「大好き❤️」です。
それは元々の相性である場合もあれば、大人の側の工夫による場合もあります。
そのどちらであっても、自分に合った対応をしてくれる人の言うことなら、安心して受け入れられますよね。
センターの子ども達の中にも、特定の「大好き❤️」な職員の関わりであれば、
苦手な活動にも参加できる子は多いですよ。
また、子どもの「世界🌍」は、大人が思う以上に狭いです。
園やセンターの職員=「先生」は、家族以外の「大人」の全てに近い意味があります。
「先生」が「大好き❤️」ということは、大人を信頼できると子どもが
思えることでもあります。
これは、将来の「生きやすさ」の基盤にもなる、大切なことです。
センターの子ども達も、「大人」は自分たちの味方だよ、「世界🌍」って結構悪くないところだよと
信じられるように、今まで以上に関わり方に工夫をしていこうと思った出来事でした。
未来の秀才たち
Aちゃんは文字や数字が大好きです。
五十音表を眺めたり、「あいうえお」の絵本を音読(❗️)したり、スタッフにひらがなを書いてもらったり(ヒモ状に延ばした粘土でひらがなの形を作ることも…)して、楽しんでいます。
なんとAちゃん、スタッフが筆順を間違えると気がついて、「もう1回❗️」のジェスチャーで書き直すように
促してくれるんですよ。
最近は、保育室のロッカーや椅子に貼ってあるお名前シールを指で追いながら、読み上げることもできます。
そのお名前のお友だちの方に視線を向けているから、「音」として読み上げているだけでなく、「お名前」と
「お友だち」がちゃんと結びついているんですね。
Aちゃんの椅子に、お友だちが座って遊んでいたときのことです。
別の椅子を勧めると、お名前シールをそっと指でなぞって、「でも、ボクの椅子はこっちだよ」と教えてくれた
こともあります。
アルファベットにも興味が出てきました。
保育室に貼ったアルファベットの表を指差して、スタッフに「読んで♪」と訴えます。
スタッフの洋服のロゴを読んでみたり、洗濯バサミを持ってきて、両手の指で「A」のような形を作って、
「ねえ、これ、『A』に似てる😊」と見せにきたり…。
とっても勉強熱心です。
そんなAちゃんに触発されたのか、同じチームのBちゃんもアルファベット表を読んでもらうことが
「マイブーム💕」になっています。
2、3歳の子どもたちが、現時点でアルファベットが読める必要はないのですが、文字と音の結びつきに
気付いたり、意図した文字を確実に指差したりすることができるようになれば、ことばやコミュニケーションの
幅が広がりますね✏️
今はまだ、ことばを使ったコミュニケーションは少ないAちゃん、Bちゃん。
「文字」と「音や意味」の関係、文字を使って気持ちを伝えられることを理解した時、2人の世界は
どんな風に広がっていくのでしょう?
小さな秀才たちの将来、とっても楽しみです。
「同じ音」を聴いているの?
ここ最近、音楽を聴きに行く機会に恵まれ、週末ごとに我が子と一緒にコンサート等に出かけています。
(もちろん、感染予防には気をつけていますよ!)
その中で、ジャズオーケストラを聴いた際に思ったことです。
「この子と私が聴いている音は、本当に同じ音なのかな?」
…というのも、私が心地良くジャズを楽しむ隣で、我が子も熱心に聴いていたのですが、途中で「頭と耳が疲れた…😓」と。
そう言えば、実は私、高校生くらいの頃まで金管楽器📯の音がとても苦手でした。
特に高い音が鼓膜👂にビリビリ響くような気がして、しんどく感じていたのですが、今は音全体がまろやかに聴こえるような気がします。
結論としては、同じ音源を聴いても、実際に「聴こえている」音は、多分、違います。
ヒトの耳には、ただ音を受信するだけでなく、耳たぶや耳の穴(トンネルの中で音が響くイメージ)、鼓膜とその奥にある耳小骨(じしょうこつ)という小さな骨などによって、音を増幅する機能があります。
主に言語音に含まれる周波数の音を増幅し、ことばを 聴き取りやすくしているわけです。
この増幅機能は、本人の意思によって音を取捨選択しているわけではなく、耳👂の形状や大きさ等によって、いわば構造的に決まった音を増幅します。
ここで思い浮かべていただきたいのですが、子どもの頃、ガラス瓶🫙や空き缶🥫の口にフーっと息を吹き込んで音を鳴らして楽しんだことはありませんか?
瓶や缶の大きさ(径の太さや、背の高さ等)によって、音の高さが違っていましたよね?
器が小さいほど高い音、大きいほど低い音が出たかと思います。
ヒトの耳👂も同じで、小さいとより高い音、大きいとより低い音を増幅します。
(それに加え、20代くらいをピークに、内耳機能の低下により聴力は緩やかに低下します。この機能低下は、大抵の場合、高音域を担当する細胞から起こります。)
つまり、大人に比べ、子どもの耳👂には、高い音が強く聴こえていることになります。
「同じ音♪」を聴いているはずなのに、なんだか不思議ですよね。
「ママに比べて、自分への注目がイマイチだな…。」とお悩みのお父さん、ちょっと意識して高めのお声で話しかけてあげるといいかもしれませんよ❗️
ロマンチストの豚♪
タイトルを見て、「何言ってるの?」と思ったことでしょう。
これは、「アンパンマン」で有名なやなせたかしさん作詞の合唱曲のうちの1曲です。
空を飛ぶことを夢見て、眠れぬ夜を過ごす豚🐷さんが、ある日、背中に翼が生えて、空へ飛び立つという、なんともメルヘンな内容です。
この歌、我が子が赤ちゃんだった頃、子守唄がわりに歌うと、最後のフレーズ「ロマンチストの豚からは それっきり 何の便りも ない!」で、「うふ〜😊」と笑って、コトリと寝ていました💤
ご興味のある方は、インターネットなどで検索してみてください。
個人的にはソプラニスタ・岡本知高さんの歌唱が面白くておススメです♫
さて、「ロマンチストの豚🐷」、我が子にとってはちょうどよい子守唄でしたが、実際の曲は、決して寝かしつけに向いている曲調ではありません。
夜泣きに困って、色々試している中で、たまたま上手に寝付けたことがあったのが、そのまま「おやすみなさい」のスイッチになったのでしょう。
「おやすみなさい」のスイッチは人それぞれです。
私などは、飛行機✈️に乗ると、催眠術にかかったかのように、滑走が始まって数秒で眠りに落ち、到着までほとんど目が覚めません。
(普段からとても寝つきがいいです。)
センターの子ども達のお昼寝の場合、視界を遮ってあげると、すうっと眠りにつくお子さんが多いような気がします。
視界の遮り方もまたいろいろで、手のひらでしっかり目元を覆ってあげる✋のを好む子もいれば、職員の体に顔を押し付けるように眠る子もいます。
視覚優位の子ども達にとって、視覚情報を自分で取捨選択するのが難しいため、このようにして刺激を減らしてあげることが有効なようです。
ただし、主要な情報源である視覚を遮断されることに、不安😖を感じるお子さんもいます。
その場合は、完全に目元を覆ってしまうのではなく、お日様がまぶしい☀️時に手で日陰を作る要領で、少しだけ目に入る光や見えるものを減らしてあげるのがいいかと思います。
お子さんの寝かしつけや夜泣きにお困りの皆さん、一緒に「おやすみなさい」スイッチを見つけましょう。
また、もっと別のおススメ🌟の方法をお持ちの方は、ぜひ教えてください❗️