「ことば」ってなあに?
あるお友だちのお話です。
声に出しての「ことば」は、まだ少ないのですが、
実はたくさんのことばを知っています。
ひらがなや数字、アルファベットも読めます。
今は、両手の指でアルファベットの形を表すのが「マイブーム」で、
職員の手をとって「こうするんだよ」と言うように教えてくれます。
それならば、指文字(指の形でアルファベットや数字、五十音を表す視覚言語)
もできるかしら?と、保育室に表を貼ってみたのですが、
今のところ興味はないようです。
ところで、聴覚に障がいのないお子さんに、指文字や手話を教えることに、
意味はあるでしょうか?
私は、「本人が楽しめるのなら」という条件付きで、意味のあることだと
思っています。
「ことば」とは何か?と考えるとき、1つには意志伝達の手段というのが、
大きな役割といえます。
もっと習熟すれば、単に要求を伝えるだけでなく、お互いの思いを伝え合う等、
コミュニケーション手段にもなります。
他にも、自分の気持ちを言語化して整理したり、考えを深めたり、
ことば遊びを楽しんだり…。
いろいろな役割を持つ中でも、やはり他者とつながるための「架け橋」的な
役割が基本であり、重要であると考えます。
そうすると、意思表示の手段は必ずしも音声言語でなくてもいいかな?と思います。
ジェスチャーでも、手話でも、文字でも…。
表情の変化だって、周囲の人が上手に読み取ることができれば、十分に伝達方法と
なりえます。
それらの手段の1つとして、指文字や手話があってもいいでしょう。
(無理に教える必要はないんですよ!)
まずは伝わることが大切!
家族の中だけで通じる身振りや発音でもいいんです。
それらは十分に「ことば」の代わりになりえます。
私たちは、そうしたお子さんそれぞれの意思伝達を読み取り、
反応を返せるように努めます。
そして、身近な人と通じ合い、伝わることを楽しめるようになったら、
「万人に伝わる」こともまた大切な要素です。
より大勢に伝わる手段を得られれば、子ども達の世界は広がりますよ。