2022年2月の記事一覧

踊る!ST

伊予くじらでは、STも保育場面に参加します。


ある日の夕方、お迎えを待っている時間のことです。

CDから流れる「ぐにゃぐにゃビート」が気に入ったAちゃん。初めて聴いた曲だったのですが、

歌詞を聴いて、その通りに身体を動かし踊り出しました♪

「せんせいも!」と手を引き可愛く誘ってくれたので、一緒に踊りました。

それを見ていたBちゃんとCちゃんも踊り出します。

Aちゃんはその後30分ほど踊り続け(一緒に踊ったSTは翌日、筋肉痛になりました😅)、

Bちゃん、Cちゃんはすぐに自分の遊びに戻っていきました。


何気ない日常の楽しいひと時ですが、この場面からもそれぞれの発達の特徴を知ることができます。

Aちゃんは、ことばを耳で聞いて理解し、その通りに身体を動かす力があります。

また、興味のある活動はじっくり時間を取って取り組ませてあげるのが良さそうです。

Bちゃん、Cちゃんは、目で見て理解する方が得意そうですね。Aちゃんを見ながら踊ったBちゃんは、

見本を示してくれるお友だちがいると動きやすそうかな?

STの動きを真似たCちゃんには、大人がやって見せてあげるのが良さそうです。

また、一つ一つの活動は、短い時間で、終わりが見えるものの方が取り組みやすいでしょう。


こうした情報を職員一同で共有し、日々の保育・療育に役立てられるよう努めています。

「人間」初心者なので…

我が子がまだ幼気(いたいけ)な保育園児だった頃のことです。

保育園で遊んでいる時、着けて行ったマスクを失くし、大泣きしたことがありました。…笑っちゃいました。

 

知り合いのおばあ様にこのことを話すと、

「笑っちゃかわいそうですよ!お病気がうつっちゃうからしておきなさいって言われたものが、

無くなっちゃったんだから、坊やにしてみれば一大事です!」

と嗜(たしな)められました。

 

…たしかに!

幼児って、「人間」として生まれてほんの数年。初心者なんですよね。

マスクがなくても大丈夫(新型コロナ流行以前だったので)なことも、道路に飛び出すと危ないことも、

子どもたちにとっては「当たり前」ではないんです。

 

「注意しても聞いてくれない!」時、ひょっとしてお子さん自身も戸惑っているのかもしれません。

 

私もとっさの時にしてしまうのですが、小さなお子さんには、

「〇〇ちゃん!」と呼びかけるだけでは、意図が伝わりにくいです。

「止まってね」「歩こうね」「手をつないでいこうね」と、してほしいことを具体的に教えてあげましょう。

できれば、お子さんの近くまで行って、身体に触れながら、優しい声で言ってあげると、より伝わりやすいですよ。

食べることとしゃべること

お子さんが話していることがよく聞き取れないと心配されている方、お食事の様子はどうですか?

 

食べることとしゃべること、全く違うことのように思われるかもしれませんが、

実はとても関連のあることなんです。どちらもお口、具体的には唇や舌の運動です。

お食事の時、硬い物を嫌がったり、あまり噛まずに丸呑みしていたり、

反対にもぐもぐと噛み続ける様子はありませんか?

もしかしたら、お口周りの筋力が少し弱かったり、舌の動きが拙かったりするのかもしれません。

 


この場合、お口の動きが上手でないために聞き取りづらい発音になっているけれど、

私たち大人が思っているよりたくさんのことばを知っていることがあります。

お食事の時にしっかり噛むことを促してあげたり、お口を使った遊びに誘うことで、

楽しくお口の運動をさせてあげましょう。

シャボン玉や吹き戻し、にらめっこでほっぺを膨らましたり、あかんべえをしたりもオススメですよ。

 

ぺちん!がぶり!も「ことば」なんです!

お子さんがお友達を叩いてしまったり、噛みついてしまったりすることってありますよね。

「うちの子、乱暴で…。」

「わたしのしつけが間違っているのかしら?」

心配はつきません。

 

でも、ちょっと一呼吸置いて、お子さんの様子を観察してみてください。

理由なく叩いたり噛んだりする子はいません。

「イヤだよ!」

「そのオモチャがほしかったんだ!」

「もっとあそびたいよ!」

時には、「ねえねえ、いっしょにあそぼうよ」だったり…。

叩いたり噛んだりするのには、お子さんなりの理由があるんです。

 

まだことばを獲得していないお子さんの場合、伝えたいこと、思いを表現する手段がないので、

簡単で、注目を得やすい、「叩く」「噛む」という方法をとってしまうのは、当然の行動かなと思います。

もちろん、叩いたり噛んだりすることはお友達にとっても、お子さん自身にとっても良いことではありません。

でも、「ダメ!」と叱りつけるのではなく、「こうしたかったんだね」と代弁してあげたり、

「かしてって言ってみようね」等と、他の伝達手段を教えてあげられるといいですね。

 

叩いたり噛んだりも、お子さんなりの「ことば」、意思表示の方法なんです。

「乱暴な子」でも、しつけが悪いわけでもないんですよ。