2023年4月の記事一覧

「おべんきょう」は段階を踏んで

子どもの発達を促す関わり方について、

「スモールステップが大切」と言われ

ます。

いきなり難しいことにチャレンジするよ

り、簡単にできることから始めること

で、意欲を高め、「できる」を定着させ

ていくことができます。

このことは、知識としてはよく知ってい

たのですが、先日、実感として「本当に

そうだ」と思うことがあったので、お話

ししたいと思います。

 

年長のAちゃんとの「おべんきょう」で

の1場面です。

 

お子さんによっては、ひらがなや数字

(場合によってはカタカナ、漢字、アル

ファベットも)の読み書きができても

おかしくない年齢です。

(我が子は、年長のこの時期、読み書き

はできず、興味もありませんでした💦

個人差は大きいです。)

 

Aちゃん、個別での「おべんきょう」の

場は楽しんでくれているのですが、

どうも集中力が続きにくい様子です。

 

取り組んでいたのは、ひらがなのマッチ

ング(鉛筆で書いたひらがなの上に、

同じひらがなを書いたシールを貼る)と

なぞり書きです。

一生懸命紙面を見つめながら、「がん

ばって」取り組むのですが、窓の外や

物音に注意が逸れ、お喋りが始まります。

 

なぞり書きは上手にできるのですが、

線と線が交差するところで、どちらに

進んでいいか悩んでいる様子もありました。

 

そこで、ひらがな練習は一度お休みして、

直線のなぞり書描きをしてみました。

 

すると、驚くほどの集中力で、

取り組みます。

お手本の点線からはみ出さないように、

丁寧に。

初めに使っていた黄色のクレヨンでは、

描いた線が見えづらいことに気づき、

別の色を使いたいと伝えることも

できました。

格子状に線が交差する時には、

途中で折れ曲がらず、まっすぐ線を

引き切ることもわかりました。

 

文字のマッチングも、なぞり書きも、

「できる」力は持っているAちゃん。

でも、集中して取り組むためには、

もう少し段階を踏んで、自信をつけて

いく必要があったのですね。

 

意欲があり、楽しんでもいたからこそ、

がんばってくれていたんです。

 

大人の目には、気が散る、手が止まると

いう行動は、やる気がないように見えて

しまうことがあります。

でも、それは

「すごくがんばってるんだ!」

「ちょっとしんどいよ…。」という、

子どもからのSOSかもしれません。

 

「おべんきょう」は、スモールステップで。

それぞれの段階に合った内容を。

 

意欲と興味を持ち続けることで、

少しずつ身についていくことを願って、

(大人が)焦らず、導いてあげることが

大切です。

「やってみよう(o^―^o)」と思えるために

時々、「大人と子どものリハビリって何

か違うところはあるの?」という質問を

受けることがあります。

違う点はたくさんあるのですが、わたし

が思う1番の違いは、本人が「リハビリ

の必要性」を認識しているかどうかです。

 

大人の場合、以前できていた能力を取戻

すための訓練という意味合いが大きい

ので、必要性がわかりやすいです。

体力面や精神的な負担から、取り組む気

力が低下することはあっても、訓練のメ

リット(気持ちを伝えられる、食べたい

ものを自由に、安全に食べられる等)は、

大人にとっては大きなものです。

 

でも、子どもにとってはどうでしょう?

 

ことばで気持ちを伝える…?

ママたちが読み取ってくれればいいじゃない!

 

いろんなものが食べられるようになる…?

これ(ミルク、ポテト、おにぎり等)が

おいしいんだから、これだけ食べていたいんだよ!

 

お友だちと遊べる…?

1人で(ママやパパとだけ)遊んでれば、楽しいよ!

 

「将来のために」「あなたのために」、

大人が必要だよ、できるようになるとい

いよ、と思うことは、子どもにとっては、

動機づけとしては少し弱いように思います。

 

わたしたちだって、子どもの頃、周囲の

大人が一生懸命「勉強しなさい」「コツ

コツやりなさい」と言ってくれていたの

に、「コツコツお勉強」なんてしなかっ

た人が多いのではないでしょうか?

少なくとも、わたしはしませんでした。

 

子どもの場合、大人が必要だと思う

「お勉強」に取り組むためには、その活

動そのものが、子どもにとって「楽し

い✨」「おもしろい‼️」ことが大切で

す。

 

「おもしろかった✨」「できた❗️」とい

う経験を積み重ねることで、子どもの興味

の幅や、楽しめる活動は増えていきます。

 

そして、大人の促しに応じることが「楽

しい✨」につながったという気づきが得

られて初めて、興味のない活動も「やっ

てみよう」と思うことができます。

 

大人との違いとしてあげた「必要性の理

解」、それは、必要性を理解するための

経験値の差とも言えます。

 

良かれと思って勧める、さまざまな取り

組みに、お子さんが応じてくれないこと

もあるかと思います。

それは、反抗したり、やる気がなかった

りするわけではないんですよ。

 

今はまだ、興味が持てないだけ。

子どもたちが、色々な活動を「やってみ

よう」と思えるように、経験値を積ませ

てあげる方法を、一緒に考えていきま

しょうね。

 

※子どもがやる気の出るほめ方や認め方を

 保護者の方と共有できればと思います。

 合わせて施設ブログもご覧ください。

「…で、これは何をするの?」

子どもから大人まで、幅広い年齢層に大人気

の、あるゲーム。

小学生の我が子も好きです。

 

でも、初めてこのゲームを操作した時の感想

は、「…で、これは何をするの?」でした。

 

実は、この「何をするの?(何のためにする

の?)」という困惑、子どもの生活の場面で

はよく見られます。

 

例えば、マラソンや字の練習…。

また、お集まりの時に「座っている」ことや、

「順番を待つ」ことも、そうです。

 

何のために走るの?

どうして何回も同じものを書くの?

なんで立ちあがっちゃダメなの?

(年齢によって、その場で立つ程度は許容

する場合もあります。)

早くしたいのに、なんで待たなきゃいけない

の?

 

大人の感覚では「当然」の活動でも、子ども

にとっては「目的のわからないことを強いら

れる」と感じることがあります。

 

もちろん、体力作りや文字学習、生活習慣や

社会性を身につけるため…。

目的はあるのですが、子どもにはわかりづら

いこともあります。

 

そんな時には、マラソン→お散歩、キャラク

ターの絵やタンバリンなどにタッチしに行く

よ❗️、字の練習→お手紙を書こう💌等。

 

子どもにとってわかりやすい「目的」を提示

してあげると、取り組みやすくなります。

 

「座って」「順番」も同様です。

座って、待っている間に、楽しめることを用

意しておくと、応じやすいです。

絵本などを読み聞かせたり、手元で静かに触

っていられるおもちゃを持っておいたり…。

 

さらに、「これをしたら終わり」「いつまで

でおしまい」という、ゴールがわかるともっ

といいですね。

 

わたしたち大人も、3年前、先行きもわから

ないままに「自粛生活」が始まった時、暗澹

たる気分になりましたよね?

 

「どういう理由で、いつまで、何をするか?」

がわかることで、子どもも大人も安心して行

動できます。

 

こうした工夫で、その場で求められることが

「できた❗️」→「ほめられた🎵」「楽しい

ことができた♪」「いいことがあった‼️」と

いう経験を積むことで、少しずつ望ましい行

動が身についていきます。

 

どのケースでも、「目的」は、子どもにとっ

て「楽しい✨うれしい💕」こと、「ゴール」

はわかりやすいことがポイントです。

「ほめて、ほめて💕」

進級・入園おめでとうございます。

今年度も、かわいいくじらの子ども

達の成長を支援していけることを嬉

しく思っています。

 

タイトルの「ほめて、ほめて💕」

は、ことばやコミュニケーションが

急激に伸びる直前のお子さんによく

見られる表情を、私なりに言語化し

てみたものです。

 

ことばや、コミュニケーション手段

を身につけようという動機となるも

ののうち、大きな比重を占めるのが、

この「ほめられたい」気持ちなので

しょう。

 

これは、この大人(あるいは、大人

というもの)は自分を認めてくれる

という信頼や、自分は尊重される存

在なのだという自信と言い換えるこ

ともできます。

 

自分の思いは聞いてもらえると信じ

られるからこそ、「伝えたい」「伝

えよう」という気持ちが起こります。

 

新しいチームで、新しい担任で、ま

たは、新しい園で…。

子ども達から「伝えたい」と思って

もらえるように、信頼関係を築いて

いきますね。

 

ちゃんと、聞くよ❗️

がんばりを見てるよ‼️

 

*保護者の皆様へ。

身振りや指差し、表情の変化はこと

ばへの第1歩です。

子どもからの発信を大人がしっかり

受け止め、こうしたやりとりを楽し

むことの積み重ねが、コミュニケー

ションを育む土台となっていきます

よ。