実物とイラスト
私が小学生(中学生だったかも?)の頃の、国語の教科書に載っていたエピソードです。
どこだったか、いわゆる「未開の地」の少数部族の子ども達に、カエル🐸のイラストを描いて見せると、「カエル」だと伝わらなかったと言うのです。
キャラクター化されたかわいい「カエル」の絵を、私たちは「カエル」と認識するけれど、それは、その文化の中で学習された結果であって、普遍的に通用するものではないというお話だったと思います。
そう考えると、子ども達への「視覚支援」の在り方も、少し考えないといけないことがあるように思います。
「絵を見せても、ちっとも伝わらない、応じてくれない…。」という時、その視覚支援は、そのお子さんの発達段階にとって適切なものを提示できているでしょうか?
「小さな子どもだから、かわいいイラストで❗️」という配慮は、もしかしたら逆効果の場合もあるかもしれませんよ。
ことばを含む様々な認知(学習)が未熟な場合に、認識しやすいのは、実物(その子が実際に使うもの)→実物(同じ用途・カテゴリーの別のもの)→写真→写実的な絵→イラスト→文字の順になるでしょうか?
これらを大人が意識することなく、その時期を通過してしまうことも多いのですが、ゆっくり発達していく子どもの場合は、少し気をつけてあげるといいですね。
もし、お子さんがかわいいイラストで構成された絵本に興味を示さないようなら、視覚支援は写真や実物で行ってあげた方がわかりやすいかもしれませんよ。
ただし、提示されたものの意味は理解していても、別の理由(「見たけど興味がない」とか、「今はしたくないよ❗️」とか、「今している遊びを続けたいんだ🧸」とか…。)で応じられないという場合もありますので、要観察🔍です。