続・カマキリの音色✨

先週に引き続き、「感覚」の個人差のお話

です。

 

私の場合、「カマキリの音」のように、特

定の動きを見た時に、音を感じることが

たまにあるという程度で、別に困ることも

なければ、役に立つわけでもありません。

 

ですが、こうした他者と違った独特の

「感覚」が、生活や発達の阻害要因となり

得るケースもあります。

 

例えば、特定の音を聞くと怒りや恐怖、

不安など、否定的な感情が引き起こされる

とか、言語音(特定の単語の場合もある

ようです)を聞くと、視界が歪んで見える

とか…。

 

(私はSTなので、音に関連するものを

挙げましたが、聴覚以外の感覚でも、この

ような現象は起こり得ます。)

 

もしも、楽器の音にひどく不安を感じるの

なら、幼稚園・保育園等でのダンスや

お遊戯の時間は、その子にとっては、

つらいものかもしれません。

苦手な音を避けるための退避スペースを

作っておく等の配慮をしてあげたいですね。

 

もしも、「ことば」を聞くと、目の前の

ものがぐらぐらと揺らいで見えるのなら、

「お話を聞いて」という大人の要求は、

その子にとっては難しいことかも

しれません。

口頭での説明は短めに、視覚的な提示が

有効と思われます。

また、将来を見据えるなら、少しずつ

その子に合った方法で文字学習も進めて

いくといいでしょう。

 

他の子ども達と同じに振る舞えない、

働きかけに応じられない原因は、

「わがまま」や単なる発達の遅れ以外の

ところにはないかしら?

もし、他の原因があるのなら、私たち大人

が関わり方を工夫したり、必要な配慮を

することで、子ども達の行動が大きく

変わるかもしれませんよ。

 

*「共感覚」:ある1つの刺激に対し、

通常の感覚だけでなく、異なる種類の感覚

が生じる知覚現象。

共感覚を持つ人は23人に1人の割合である

という研究もありますから、1クラスに1〜

2人はいることになりますね。

 

余談ですが、「共感覚」とは、また別の

感じ方の違いとして、当センターのある職員

は、大人になった今でも、「着ぐるみ」が

怖いそうです。

私は、鳥の羽(特にクジャクやインコなどの

カラフルなもの)が、怖くて触れません。

 

普段、特に困ることなく社会生活を送って

いる大人ですらそうなのです。

まして生活経験の少ない子ども達なら、イヤ

なもの、コワイもの、あるいは好き過ぎて

テンション上がっちゃうものが、私たち以上

にあるかもしれません。

 

お食事や就寝、落ち着いて活動したい場面

では、必要に応じて「刺激」(音や、目に

入るもの等)を調節してあげたいですね。