「ない」は難しい…
数学の世界において「0」という概念が
発見されたのは7世紀のインドと
言われています。
人類の歴史から考えると、意外に新しい
出来事です。
「ない」「ゼロ」ということは、
それだけ認識しづらい概念なのでしょう
ね。
先日、降園のバスに添乗していた時の
ことです。
3歳のAちゃんは、上機嫌で歌って
いました♪
たくさんの歌を知っていて、とても上手
だったのですが、
1曲だけ「ん?」と感じたのが、
「カエルの合唱🐸」です。
カエルの鳴き声のところ、「くわ♪」の
回数が多くて、なんだか忙しそうです。
よく聞いていると、どうやら「休符」が
ないんですね…。
「お休み」「音・歌詞がない」という
状態が認識しづらかったのでしょう。
そういえば、昔々ピアノを習い始めた頃、
音符を「♩タン♫タタ」等とリズム読み
をする中で、休符の部分を必ず「ウン」
と声に出して読むように指導されたよう
に思います。
「音がないところなのに、どうして
わざわざ声に出すんだろう?」と不思議
に思っていたのですが、「音がない」こと
を意識するための工夫だったのでしょうね。
実は、「ない」が意識しづらいのは、歌
の場合に限ったことではありません。
お子さんに対して、「走らないで🏃」
「立たないで❗️」「触らないで🚫」等、
「〜しない」という言い方をしていま
せんか?
この言い方、大人にとっては自然な表現
なのですが、小さな子どもにとっては
少し難しいようです。
「〜しない」のは分かった。
じゃあ、どうすればいいの?
…といったところでしょうか。
「歩いてね🚶」「止まって🅿️」
「手はお膝だよ」など、具体的にする
ことを伝えてあげた方が、子どもに
とっては応じやすいです。
「子どもが言うことをきかない」のは、
反抗しているわけではなく、どうすれば
いいのかわからなくて困っているのかも
しれません。
子どもにとって「伝わる」「わかる」
方法で、伝えることを意識していきたい
ですね。
「ない」は、7世紀以前には大人ですら
知らない概念だったことをお忘れなく。