2022年5月の記事一覧

「やりとり」の始まり♪

4月から毎日の登園が始まったAちゃん。

ことばはまだありません。

ママが大好き💕な可愛いお子さんです!

 

入園当初は、ママ以外の大人にはあまり興味がありませんでした。

多分、「ママ」と「ママじゃない人」くらいの認識だったのかな?

はっきりとした感情表現も少なく、思い通りにならない時に「う〜!」と唸り声をあげて怒る程度でした。

 

でも徐々に、様子が変わってきました。

目が合うことが増え、ニコニコ笑顔も見えるようになりました。

遊びの中で「えへへ」と声を立てて笑うことも出てきました。

 

お気に入りのスタッフと、「その他」のスタッフの区別も出てきました。

そのスタッフの姿が見えると、それまで握っていた別のスタッフの手を「ぽいっ!」とばかりに放して、手をつなぎに行きます。

 

そして、近頃お気に入りの遊びが…。

大好きなスタッフがCD💿をかけると、満面の笑顔で駆け寄り、「ぴっ」とボタンを押し、音楽を止めてしまいます!

そして、顔を見て「えへへへ!」と笑いながら、その場で跳ねるように身体を揺すります♫

もう一度、音楽を流すと、また同じように…。

 

まだ明確な「ことば」ではないけれど、やりとり遊びの始まりですね。

相手を認識し、「楽しい!」「嬉しい!」等の気持ちを共有することから、ことばは生まれてきます。

視線を合わせたり、笑い合ったり、時には泣いたり怒ったりするのに寄り添ったり…。

直接的な「ことば」のやりとりこそしていなくても、こうした積み重ねがお子さんの中のことばの芽🌱を育てます。

ときめきとルーティン

怖いお話をしましょう…。

 

私が子どもの頃、我が家にはピアノがありました。

グランドピアノです。

先祖代々受け継がれてきた…訳ではなく、ピアノを習い始めた小学生の私のために、両親が買ってくれたものです。

 

それの、何が怖い話なのかって?

 

実は私、ピアノが弾けません!

人前で披露できるレベルではない…なんて次元の話ではなく、本当に。

階名を呟きながら、右手でメロディをたどるのがやっとです。

左手?

左手は「グー✊」で待機です。

 

では、このピアノが無駄な買い物だったかというと、そうでもなく…。

 

練習嫌いだった私が、このピアノが嬉しくて、自主的に練習するようになりました。

…2〜3か月の間は。

楽譜がある程度読めるようになったことと、演奏できないなりにも音楽を楽しいと思えるようになったことは、

私にとって大きな収穫だったと思います。

上手に弾けなくっても、グランドピアノって、やっぱり心ときめきます❤️

 

ただし…。

グランドピアノです。

普段の生活スペースには置けなくて、離れの部屋に置くことになりました。

玄関を出て別棟に行くのは、やっぱりちょっと面倒くさい😓

なので、あまり長続きはしませんでした。(大人になった今では、両親には申し訳なかったと思っています…。)

 

子ども自身の「やりたい」意欲を引き出すために、心ときめく仕掛け✨は有効です。

同時に、習慣として定着させるには、日常の動きの中で、自然に取り組める工夫もまた大切ですね。

シロツメクサの花が咲いたら♪

このタイトルをメロディ付きで読んでしまった方は、きっと私と同年代(40代半ば)以上かなと思います…。

 


クローバーの花がたくさん咲きました☘️

なんだかうれしくなって、花冠👑を作ってみました。

 

すると、周りに集まって手元をのぞき込む子が数名…。

「何をしているのかな?」と、作業そのものに興味のある子もいれば、花冠を作っているのだとわかって、

「ちょうだい」と言いにくる子もいます。

せっせとお花を摘んで手渡してくれる子もいます。

くじらチームのAちゃんは、「それの次、ぼくのも作ってね。この葉っぱ🍀も入れてね。」と、

デザインの提案もしてくれました。

なるほど、その通りにすると、少し可愛らしさが控えめになって、Aちゃんによく似合ってステキです✨

 

せっせと花冠を作った私ですが、実は子どもの頃は作れなかったんです…。

先日のブログで、認知の方法として視覚・聴覚が主で、伊予くじらには視覚優位のお子さんが多いと書きました。

それ以外に、言語での認知が得意な人もいます。

 

私自身は言語優位で、視覚認知はとっても苦手です。

…なので、友だちが花冠を作って見せてくれるやり方がどうにもわからなくて、ついに作れるようにはならず💔

大人になってから、「昔の遊び(!)」の本で、図解と文章での説明を読んでようやく作れるようになったのです。

 

「見てわかる」指示や説明が多い幼稚園・保育園に対して、小学校に上がると「聞いてわかる、読んでわかる」

ことが求められるようになります。

私の場合は、「ぼんやりしてトロい子」だった幼稚園時代に比べ、就学後の方が色々なことがわかりやすく

(逆に、急に困り事が増えるお子さんも多いことでしょう)、ぐっと楽になりました。

それでも、あの頃の、先生や周りの子ども達の言っていることや求められている内容が、

なんだかぼんやりとしてわかりづらい、あの不安感と孤独は、記憶の底にうっすらと残っています。

 

大人の言っていることが伝わりにくかったり、言うことを聞けなかったりするのは、

性格や発達の要因だけでなく、こうした認知特性による場合もあるかもしれません。

周囲の大人が、その子に伝わりやすい伝え方、説明の仕方を工夫してあげるのも大切だな…と、

可愛いお花と、子どもたちのキラキラ笑顔🤗を見ながら、昔々のほんのり苦しい気持ちを思い出しました。

「伝える」ということ、「伝わる」ということ

先日のブログ「うしさんのジェスチャー🐮」に、たくさんの案が集まりました。

ジェスチャーを真剣に考えてくださった皆さん、ありがとうございました。

お1人お1人にお返事をしたいのですが、予想を超えてたくさんのご意見をいただきましたので、

この場を借りてお礼申し上げます。

 


そのジェスチャー案ですが、多かったのは、両手の人差し指を立てて額の横で角を作るもの、

片手で輪を作り鼻の下にあてがうものの2点でした。

中には、それらに加えて頭を大きく左右に振って猛牛を表したり、片手で「角」、

もう片方の手で「鼻輪」を作るというパターンも…。

 


アドバイスをくださった皆さんの多くが共通しておっしゃっていて、印象的だったのが、

「平凡なのですが」「ありきたりなものしか思いつかなかった」等のことばです。

 


平凡でありきたりでこそ良い!と思います。

…と言うのも、自分が「伝える」いうことに主眼を置くと、どうしても自分らしいアピールを

含めたくなるのですが、果たしてそれで「伝わる」のかな?という問題があるからです。

ことばの最も単純で重要な役割は「意思伝達」であり、コミュニケーションのためのツールです。

まずは「伝わる」ことが大事!(これは、ジェスチャーだけでなく、普段の口頭での会話でも同じですね。)

 


また、ベビーサイン👶、手話✋、マカトンサイン等、「うしさん」以外のジェスチャーを考えるヒント

となりそうな方法を提案してくださった方もいらっしゃいました。

ジェスチャーを、より多くの人とのやりとりや、「ことば」につなげていけるように、

私もしっかり勉強していこうと思います。

 


さて、「うしさん」にどの案を採用するかは…、「Aちゃん」に相談してみます😄

「問題児」ではないの!

今日は、センターの子どもたちが共通して抱える「困りごと」を1つ、ご紹介したいと思います。

 

人は、いろいろなことを認識・理解するのに、主に視覚と聴覚から情報を得ています。

多くの人は、視覚・聴覚両方を活用しているのですが、センターの子どもたちは、視覚優位の子が多いようです。

こうした、視覚優位の子どもたちは、集団生活の場や学校等では問題視されやすい(行動を「問題視されやすい」

ことと、その子が「問題児だ」ということは違います!)かもしれません。

 

…というのも、聴覚情報が時間軸に沿って一直線に、極端に言うなら1つ1つ順番に耳に入ってくるのに比べ、

視覚情報はそこに広がる全て(子供の場合、顔の前、左右90度、上下70度くらいでしょうか?)が

一気に眼に飛び込んでくるわけです。

 

想像してみてください。

 

目の前に、珍しいもの、初めて見るもの、素敵なものがたくさんたくさん広がっている世界を!

「落ち着いて!」「それに触らないで!」「これだけ見て!」と言われても…。

私ならとってもテンションが上がって浮かれちゃいます!

その上、周囲が音にあふれていて、人の声が耳に入りにくい状態だとしたら?

 

じゃあ、どうすればいいのでしょう?

 

目に入る情報を少し減らしてあげましょう。

使っていないおもちゃを、お子さんに見えない場所にしまうだけでも、今していることに集中しやすくなります。

もう少し大きいお子さんなら、聞いてほしいことをイラストや文字で書いて見せてあげると、伝わりやすいです。

声かけで伝えるなら、短く、簡単なことばで、お子さんの側で。

(長く難しいことばも、遠くからの声かけも、理解する力はあるかもしれません。

でも、視覚からの情報に夢中になっている時には、応じるのがちょっとめんどくさいんです…。)

 

「問題視されやすい行動」には、そうなってしまう理由があります!

「問題児」なんかじゃないです!!

わかりやすい環境、伝わりやすい伝え方を工夫してあげれば、ぐっと応えやすくなります。

それぞれのお子さんにとって適した環境・伝え方を一緒に見つけていきましょうね。