ある日の攻防
クレヨンって、周囲に紙を巻いているものが多いですよね。
たくさん描いて、クレヨンが短くなってくると、この紙が
邪魔になって色がつきにくくなります。
お絵描きが大好きなAちゃんは、描きづらくなると、
「これ、剥がして❗️」と、職員にクレヨンを手渡して待って
います。
「紙」のせいで描きづらいこと、紙を少し剥がしてもらうと
描きやすくなることに気づいたんですね。
ある日、十分にペン先が出ていて、
お絵描きに支障がない(ように見える)クレヨンを、
「剥がして❗️」と差し出すことがありました。
大人の目には、紙を剥がす必要はないように見えます。
それでも、「剥がしてよ‼️」と繰り返し手渡します。
「使えるよ🖍」と返すと、とうとう自分でペリペリと紙
を剥がそうとします。
自分でできるのはいいことなのですが、手が汚れるので、
全部剥がしてしまいたくはないんですよね…。
大人の都合ですが💦
さて、そこでクレヨンをじっくり観察してみます。
他のクレヨンは描きづらくなければそのまま使うのに、
このクレヨンだけ、どうしても紙を剥がして欲しいのは
なぜなのでしょう?
…よく見ると、Aちゃんの指がちょうど触る部分の紙が、
擦り切れて毛羽立っています。
どうやら、これが嫌だったのですね。
マスキングテープでクルリと巻いてケバケバを抑えると、
納得してお絵描きを続けました🌀
発達支援の必要な子ども達は、「こだわりがある」
「切り替えの苦手さがある」と周りの人が困ったり、
言われたりすることがあります。
その「こだわり」は、ほんの些細な、何でもないことの
ように見えるものもあります。
でも、Aちゃんのクレヨンのように、子ども達なりに理由
があることが多くあります。
それらの理由を、全部くみ取るのは難しいこともありますが、
「何か理由があるのかな❓」と気にかけて、寄り添う姿勢を持ち、
かかわりながら「『ここ』が気になるんだ」「イヤなんだ」と
伝えられるようなその子なりの手段、方法を探していくように心がけています。