「おべんきょう」は段階を踏んで
子どもの発達を促す関わり方について、
「スモールステップが大切」と言われ
ます。
いきなり難しいことにチャレンジするよ
り、簡単にできることから始めること
で、意欲を高め、「できる」を定着させ
ていくことができます。
このことは、知識としてはよく知ってい
たのですが、先日、実感として「本当に
そうだ」と思うことがあったので、お話
ししたいと思います。
年長のAちゃんとの「おべんきょう」で
の1場面です。
お子さんによっては、ひらがなや数字
(場合によってはカタカナ、漢字、アル
ファベットも)の読み書きができても
おかしくない年齢です。
(我が子は、年長のこの時期、読み書き
はできず、興味もありませんでした💦
個人差は大きいです。)
Aちゃん、個別での「おべんきょう」の
場は楽しんでくれているのですが、
どうも集中力が続きにくい様子です。
取り組んでいたのは、ひらがなのマッチ
ング(鉛筆で書いたひらがなの上に、
同じひらがなを書いたシールを貼る)と
なぞり書きです。
一生懸命紙面を見つめながら、「がん
ばって」取り組むのですが、窓の外や
物音に注意が逸れ、お喋りが始まります。
なぞり書きは上手にできるのですが、
線と線が交差するところで、どちらに
進んでいいか悩んでいる様子もありました。
そこで、ひらがな練習は一度お休みして、
直線のなぞり書描きをしてみました。
すると、驚くほどの集中力で、
取り組みます。
お手本の点線からはみ出さないように、
丁寧に。
初めに使っていた黄色のクレヨンでは、
描いた線が見えづらいことに気づき、
別の色を使いたいと伝えることも
できました。
格子状に線が交差する時には、
途中で折れ曲がらず、まっすぐ線を
引き切ることもわかりました。
文字のマッチングも、なぞり書きも、
「できる」力は持っているAちゃん。
でも、集中して取り組むためには、
もう少し段階を踏んで、自信をつけて
いく必要があったのですね。
意欲があり、楽しんでもいたからこそ、
がんばってくれていたんです。
大人の目には、気が散る、手が止まると
いう行動は、やる気がないように見えて
しまうことがあります。
でも、それは
「すごくがんばってるんだ!」
「ちょっとしんどいよ…。」という、
子どもからのSOSかもしれません。
「おべんきょう」は、スモールステップで。
それぞれの段階に合った内容を。
意欲と興味を持ち続けることで、
少しずつ身についていくことを願って、
(大人が)焦らず、導いてあげることが
大切です。