ことばの種(STさんのつぶやき)

「うさぎ🐇」の年です🎍

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

今年はうさぎ🐇年ですね。

ピョンピョン跳ねるウサちゃんにあやかり、

飛躍・向上の年とも言われます。

 

それから、陸上競技(長距離走)の世界では、

より良い記録を出すために伴走するランナーの

ことを「ラビット」と呼ぶそうですね。

 

若い頃に勤めていた学習塾で、先輩講師から

たびたび言われたのが、

「子どもにとっての、良き伴走者であれ」

ということです。

 

大人が「教える」というスタンスだと、

応じにくい子ども達は多いです。

また、大人の側にとっても、子ども達の様子や、

本当の「思い」が見えにくくなります。

 

「上」から、または「はるか前方」から、

「こっちだよ❗️さあ、がんばって‼️」というよりも、

傍らに寄り添って、一緒に走る方が、

大人の意図や、今するべきことがわかりやすいです。

 

大人にとっても、表情やちょっとした仕草などから

子ども達が何に困っているのか、どうして応じられないのか、

または、どうしたら応じられるのか、支援の手がかりを

見つけやすいです🔎

 

今年はうさぎ年🐇

子ども達にとっての、良き「ラビット🐰」を

目指します。

 

(このことは、社会福祉法人くじらの保育で大切にしている

ことのうち、「個々のやりたいことを達成できる伴奏者になる。」

という一節ともつながっていきますね。)

 

*来週1月9日(月)は祝日のため、10日(火)の

更新とさせていただきます。

年末年始🎍

この週末はクリスマスでしたね。

皆さんのお家にはサンタクロース🎅は訪れたのでしょうか?

(我が家の小学生のところにも来たのですが、プレゼントを抱きしめて

「ありがとう❤️」と言われたので、正体は知っていそうです。)

 

さて、次はお正月ですね🌅 

年末年始に旅行や帰省を計画されているご家庭も多いでしょう逆に、帰省する親族を迎えるご家庭もあるでしょうか?

 

いつもと違う生活の流れに、子ども達が戸惑うことがあるかもしれませんね。

 

可能であれば、就寝・起床時間や、お食事、歯磨き、お風呂等々のルーティンを、

大きく変えることのないように、生活リズムを整えてあげたいところです。

 

…とはいえ、全くいつも通りに生活するのは難しいと思います。

 

そこで、有効と考える工夫として、「予告」することをオススメします。

 

写真や絵などで、「ご飯🍙を食べるよ」「歯磨き🪥するよ」

「おうち🏠に帰るよ」などと知らせてあげることで、

普段と違う流れでも、応じやすくなります。

 

「10数えたら〜するよ」という声かけも有効なことが多いです。

数字が読めるようなら、時計を見せて、「(長い針が)〇〇になったら」

というのもいいですね。

 

私は、分針の先にてんとう虫のシールを貼って、マスキングテープで作った

お花で数字を指定し、「てんとう虫がお花に止まったら」と声かけしていました。

 

大きいお子さんなら、1日の流れやお休み中の予定を、簡単な予定表やカレンダーなどで

一緒に確認するのもいいかもしれませんね。

 

これらの工夫は、できれば、特別な時に急に提示するのではなく、

普段から少しずつ取り入れておくと、子ども達にとってわかりやすく、

安心して活動できる環境になります。

 

簡単なものでいいんですよ!

特に切り替えの難しいこと(お外遊びはおしまい→おうちに帰るよetc.)だけ、

絵を描いたり、写真を印刷しておいたりするのでも十分です。

 

 

ご参考までに。

当センターにじチーム(2〜3歳児少人数クラス)で提示している予定表です。

ホワイトボードに順番に貼ることもあれば、次の活動のカードだけを見せることもあります。

初めて提示される時は、1つか2つの予定を見せてあげる方が分かりやすいと思います。

これらは、お子さんが次の予定が分かり、納得して行動できるためのものとして活用しています。

(大人が一方的に出しても効果は見込めないことがありますので、ご注意くださいね。)

 

※次回のことばの種は、年末年始の休業をはさみますため、年明けの4日に掲載いたします。

 皆さまよいお年をお迎えください。

いろいろな「ことば」のあり方

数年前に「アイスバケツチャレンジ」で話題になったALS(筋萎縮性側索硬化症)をご存じでしょうか?

少しずつ手足が動かなくなり、症状によっては発音や発声が難しくなる場合もあります。

 

体が動かなくなっても意識や認知機能が保たれることが、この病気の特徴の1つですから、

会話ができなくなる前に、声以外でのコミュニケーション手段を確保することが重要です。

 

そこで、コミュニケーション手段として活用するのが、眼球運動です。

 

例えば、「YES」なら左を見る等のサインを決めたり、五十音表等を見ながら、

注視した文字を介助者に読み上げてもらったり…。

 

声にはならなくても、これらは大切な「ことば」です。

 

とはいえ、倦怠感や痛みがあったり、病状が進行していくことへの精神的な苦しさがある中で、

新たな手段を訓練していくことに、前向きになれない患者さんは多くいらっしゃいます。

 

そんな中で、訓練をがんばる原動力として、大切なものが2つあります。

 

1つは、伝えたい「思い」です。

ご家族への感謝の気持ちであったり、身のまわりの介助に関する要望だったり…。

 

2つ目は、その方法で「伝わる」という自信、「伝わった」ことによるメリットです。

新しい方法を試して、伝わりづらいとき、相手に遠慮して伝えることをためらったり、

「どうせ伝わらない」と諦めてしまったりする患者さんはとても多いです。

 

これらの2つのことは、ALS患者さんだけでなく、コミュニケーションを望むすべての人にとって大切です。

 

もちろん、言語習得期の子ども達にとってもです。

泣いたり、怒ったり(時には叩いたり、噛んだり)して、人に伝えたい「思い」が出てきたら、

次は「伝わる」喜びを経験させてあげましょう。

「こうしたかったんだね」「悲しかったね」などと、気持ちを代弁してあげることで、

「伝わった」「わかってもらえた」ということを、子ども自身が実感することができます。

 

そして、より適切な伝え方(泣く、怒るから、ジェスチャーや「ことば」)ヘシフトできるように、

導いてあげたいですね。

子ども達なりに伝えた時、「わかってもらえた!」「思いがかなった♪」という経験を積んでいくことで、

「ことば」は身についていきます。

 

何と言いたいのか読み取れない時には、状況から推測して「○○かな?それともこっち?」と

確認してあげたり、ただ相槌を打ってあげたりするのでも、十分やりとりの楽しさを味わうことは

できると思いますよ。

 

「ことば」ってなあに?

あるお友だちのお話です。

声に出しての「ことば」は、まだ少ないのですが、

実はたくさんのことばを知っています。

 

ひらがなや数字、アルファベットも読めます。

 

今は、両手の指でアルファベットの形を表すのが「マイブーム」で、

職員の手をとって「こうするんだよ」と言うように教えてくれます。

 

それならば、指文字(指の形でアルファベットや数字、五十音を表す視覚言語)

もできるかしら?と、保育室に表を貼ってみたのですが、

今のところ興味はないようです。

 

ところで、聴覚に障がいのないお子さんに、指文字や手話を教えることに、

意味はあるでしょうか?

 

私は、「本人が楽しめるのなら」という条件付きで、意味のあることだと

思っています。

 

「ことば」とは何か?と考えるとき、1つには意志伝達の手段というのが、

大きな役割といえます。

もっと習熟すれば、単に要求を伝えるだけでなく、お互いの思いを伝え合う等、

コミュニケーション手段にもなります。

他にも、自分の気持ちを言語化して整理したり、考えを深めたり、

ことば遊びを楽しんだり…。

 

いろいろな役割を持つ中でも、やはり他者とつながるための「架け橋」的な

役割が基本であり、重要であると考えます。

 

そうすると、意思表示の手段は必ずしも音声言語でなくてもいいかな?と思います。

ジェスチャーでも、手話でも、文字でも…。

表情の変化だって、周囲の人が上手に読み取ることができれば、十分に伝達方法と

なりえます。

それらの手段の1つとして、指文字や手話があってもいいでしょう。

(無理に教える必要はないんですよ!)

 

まずは伝わることが大切!

家族の中だけで通じる身振りや発音でもいいんです。

それらは十分に「ことば」の代わりになりえます。

 私たちは、そうしたお子さんそれぞれの意思伝達を読み取り、

反応を返せるように努めます。

 

そして、身近な人と通じ合い、伝わることを楽しめるようになったら、

「万人に伝わる」こともまた大切な要素です。

より大勢に伝わる手段を得られれば、子ども達の世界は広がりますよ。

友だちのお話

私の友人は、補聴器🎧を使っています。

小学校の入学式の日に出会った彼の第1印象は、

なんだかカッコイイ「メカ⚙」を身に付けている、

体と声の大きい男の子でした。

 

私が生まれて初めて出会った「障がい」のある子どもだったのでしょうが、

内緒話がしづらい以外は、ごく普通の友だちです。

聞き取りにくい時には、本人から「もうちょっと大きい声📢で」とか

「ここ(補聴器のマイク🎤)に向かって話して」とか、対応方法を伝えてくれるので、

特に不便なくコミュニケーションを取れます。

(友人自身も「不便なく」と感じてくれているといいなと思います。)

 

ところで、私は小学校に入学した時、幼稚園より先生の指示や説明が

わかりやすいと感じたのですが、ひょっとしたら、この友人のおかげだったかも

しれないと、最近思っています。

 

おそらく先生たちは、保育園の頃から補聴器を使用していた彼のために、

視覚支援👀を多く取り入れるように意識していたでしょう。

 

一般的な小学校1年生のクラス運営と、どのくらい異なるものだったかは

わかりませんが、口頭での説明や指示を必ず板書されていたのを覚えています。

あらかじめ用意されたイラストや写真📷を黒板に貼ることでの説明も

多かったと思います。

クラス全体に向けて、挙手✋を促したり、お返事を求めたりすることで、

理解できているかどうかの確認もしてくださっていました。

 

そのおかげで、先生の説明はわかりやすく、また、理解しづらいまま

置いてきぼりになることなく、小学校生活を送ることができました。

 

「聞こえにくい」子どものために合理的配慮がなされると、

「聞こえる」子ども達にとっても、大人のお話や、活動の見通しがわかりやすく、

心地よい集団生活を送ることにつながります。

 

学校だけでなく、家庭や職場などでも、こうした配慮が自然に行われれば、

聞こえだけでなく、知的能力や認知特性など、様々な「わかりづらさ」を

抱えたみんなにとって、より生きやすい世の中になりますね。

実物とイラスト

私が小学生(中学生だったかも?)の頃の、国語の教科書に載っていたエピソードです。

 

どこだったか、いわゆる「未開の地」の少数部族の子ども達に、カエル🐸のイラストを描いて見せると、「カエル」だと伝わらなかったと言うのです。

 

キャラクター化されたかわいい「カエル」の絵を、私たちは「カエル」と認識するけれど、それは、その文化の中で学習された結果であって、普遍的に通用するものではないというお話だったと思います。

 

そう考えると、子ども達への「視覚支援」の在り方も、少し考えないといけないことがあるように思います。

 

「絵を見せても、ちっとも伝わらない、応じてくれない…。」という時、その視覚支援は、そのお子さんの発達段階にとって適切なものを提示できているでしょうか?

 

「小さな子どもだから、かわいいイラストで❗️」という配慮は、もしかしたら逆効果の場合もあるかもしれませんよ。

 

ことばを含む様々な認知(学習)が未熟な場合に、認識しやすいのは、実物(その子が実際に使うもの)→実物(同じ用途・カテゴリーの別のもの)→写真→写実的な絵→イラスト→文字の順になるでしょうか?

 

これらを大人が意識することなく、その時期を通過してしまうことも多いのですが、ゆっくり発達していく子どもの場合は、少し気をつけてあげるといいですね。

 

もし、お子さんがかわいいイラストで構成された絵本に興味を示さないようなら、視覚支援は写真や実物で行ってあげた方がわかりやすいかもしれませんよ。

 

ただし、提示されたものの意味は理解していても、別の理由(「見たけど興味がない」とか、「今はしたくないよ❗️」とか、「今している遊びを続けたいんだ🧸」とか…。)で応じられないという場合もありますので、要観察🔍です。

「先生」が大好き❤️

センターの子ども達と一緒に近所の公園へお出かけした時のことです。

 

何組かのご家族連れの先客があり、一緒に遊ばせてもらいました。

年齢の近い子ども達ですから、追いかけっこしながら笑い合ったり、

遊具の順番を譲り合ったり、時には取り合いになりそうになったり…。

良い刺激になり、子ども達、とても楽しめた様子でした。

 

その中の1人のお子さんは、ニコニコと全開の笑顔で近づいてきて、

私たち職員ともたくさん関わってくれました。

 

「先生」というものが大好きなのだそうです。

 

どちらの園に通われているのかはお聞きしませんでしたが、

きっと優しく温かい雰囲気の園なのでしょうね。

 

お母さんは、ただの世間話として話してくれましたが、

このことは、お子さんにとって素晴らしい宝物だと思います。

園生活を安心して送れるだけでなく、「大好き❤️」な人の声かけや促しは聞き入れやすく、

ことばや生活習慣、様々な活動が身につきやすいからです。

 

子どもって、わかりやすい声かけや関わり方をしてくれる大人のことが、「大好き❤️」です。

それは元々の相性である場合もあれば、大人の側の工夫による場合もあります。

そのどちらであっても、自分に合った対応をしてくれる人の言うことなら、安心して受け入れられますよね。

 

センターの子ども達の中にも、特定の「大好き❤️」な職員の関わりであれば、

苦手な活動にも参加できる子は多いですよ。

 

また、子どもの「世界🌍」は、大人が思う以上に狭いです。

園やセンターの職員=「先生」は、家族以外の「大人」の全てに近い意味があります。

「先生」が「大好き❤️」ということは、大人を信頼できると子どもが

思えることでもあります。

これは、将来の「生きやすさ」の基盤にもなる、大切なことです。

 

センターの子ども達も、「大人」は自分たちの味方だよ、「世界🌍」って結構悪くないところだよと

信じられるように、今まで以上に関わり方に工夫をしていこうと思った出来事でした。

未来の秀才たち

Aちゃんは文字や数字が大好きです。

 

五十音表を眺めたり、「あいうえお」の絵本を音読(❗️)したり、スタッフにひらがなを書いてもらったり(ヒモ状に延ばした粘土でひらがなの形を作ることも…)して、楽しんでいます。

 

なんとAちゃん、スタッフが筆順を間違えると気がついて、「もう1回❗️」のジェスチャーで書き直すように

促してくれるんですよ。

 

最近は、保育室のロッカーや椅子に貼ってあるお名前シールを指で追いながら、読み上げることもできます。

そのお名前のお友だちの方に視線を向けているから、「音」として読み上げているだけでなく、「お名前」と

「お友だち」がちゃんと結びついているんですね。

 

Aちゃんの椅子に、お友だちが座って遊んでいたときのことです。

別の椅子を勧めると、お名前シールをそっと指でなぞって、「でも、ボクの椅子はこっちだよ」と教えてくれた

こともあります。

 

アルファベットにも興味が出てきました。

保育室に貼ったアルファベットの表を指差して、スタッフに「読んで♪」と訴えます。

スタッフの洋服のロゴを読んでみたり、洗濯バサミを持ってきて、両手の指で「A」のような形を作って、

「ねえ、これ、『A』に似てる😊」と見せにきたり…。

とっても勉強熱心です。

 

そんなAちゃんに触発されたのか、同じチームのBちゃんもアルファベット表を読んでもらうことが

「マイブーム💕」になっています。

 

2、3歳の子どもたちが、現時点でアルファベットが読める必要はないのですが、文字と音の結びつきに

気付いたり、意図した文字を確実に指差したりすることができるようになれば、ことばやコミュニケーションの

幅が広がりますね✏️

 

今はまだ、ことばを使ったコミュニケーションは少ないAちゃん、Bちゃん。

「文字」と「音や意味」の関係、文字を使って気持ちを伝えられることを理解した時、2人の世界は

どんな風に広がっていくのでしょう?

 

小さな秀才たちの将来、とっても楽しみです。

「同じ音」を聴いているの?

ここ最近、音楽を聴きに行く機会に恵まれ、週末ごとに我が子と一緒にコンサート等に出かけています。

(もちろん、感染予防には気をつけていますよ!)

 

その中で、ジャズオーケストラを聴いた際に思ったことです。

 

「この子と私が聴いている音は、本当に同じ音なのかな?」

 

…というのも、私が心地良くジャズを楽しむ隣で、我が子も熱心に聴いていたのですが、途中で「頭と耳が疲れた…😓」と。

 

そう言えば、実は私、高校生くらいの頃まで金管楽器📯の音がとても苦手でした。

特に高い音が鼓膜👂にビリビリ響くような気がして、しんどく感じていたのですが、今は音全体がまろやかに聴こえるような気がします。

 

結論としては、同じ音源を聴いても、実際に「聴こえている」音は、多分、違います。

 

ヒトの耳には、ただ音を受信するだけでなく、耳たぶや耳の穴(トンネルの中で音が響くイメージ)、鼓膜とその奥にある耳小骨(じしょうこつ)という小さな骨などによって、音を増幅する機能があります。

主に言語音に含まれる周波数の音を増幅し、ことばを 聴き取りやすくしているわけです。

 

この増幅機能は、本人の意思によって音を取捨選択しているわけではなく、耳👂の形状や大きさ等によって、いわば構造的に決まった音を増幅します。

 

ここで思い浮かべていただきたいのですが、子どもの頃、ガラス瓶🫙や空き缶🥫の口にフーっと息を吹き込んで音を鳴らして楽しんだことはありませんか?

 

瓶や缶の大きさ(径の太さや、背の高さ等)によって、音の高さが違っていましたよね?

器が小さいほど高い音、大きいほど低い音が出たかと思います。

 

ヒトの耳👂も同じで、小さいとより高い音、大きいとより低い音を増幅します。

(それに加え、20代くらいをピークに、内耳機能の低下により聴力は緩やかに低下します。この機能低下は、大抵の場合、高音域を担当する細胞から起こります。)

 

つまり、大人に比べ、子どもの耳👂には、高い音が強く聴こえていることになります。

「同じ音♪」を聴いているはずなのに、なんだか不思議ですよね。

 

「ママに比べて、自分への注目がイマイチだな…。」とお悩みのお父さん、ちょっと意識して高めのお声で話しかけてあげるといいかもしれませんよ❗️

ロマンチストの豚♪

タイトルを見て、「何言ってるの?」と思ったことでしょう。

 

これは、「アンパンマン」で有名なやなせたかしさん作詞の合唱曲のうちの1曲です。

空を飛ぶことを夢見て、眠れぬ夜を過ごす豚🐷さんが、ある日、背中に翼が生えて、空へ飛び立つという、なんともメルヘンな内容です。

 

この歌、我が子が赤ちゃんだった頃、子守唄がわりに歌うと、最後のフレーズ「ロマンチストの豚からは それっきり 何の便りも ない!」で、「うふ〜😊」と笑って、コトリと寝ていました💤

 

ご興味のある方は、インターネットなどで検索してみてください。

個人的にはソプラニスタ・岡本知高さんの歌唱が面白くておススメです♫

 

さて、「ロマンチストの豚🐷」、我が子にとってはちょうどよい子守唄でしたが、実際の曲は、決して寝かしつけに向いている曲調ではありません。

夜泣きに困って、色々試している中で、たまたま上手に寝付けたことがあったのが、そのまま「おやすみなさい」のスイッチになったのでしょう。

 

「おやすみなさい」のスイッチは人それぞれです。

私などは、飛行機✈️に乗ると、催眠術にかかったかのように、滑走が始まって数秒で眠りに落ち、到着までほとんど目が覚めません。

(普段からとても寝つきがいいです。)

 

センターの子ども達のお昼寝の場合、視界を遮ってあげると、すうっと眠りにつくお子さんが多いような気がします。

視界の遮り方もまたいろいろで、手のひらでしっかり目元を覆ってあげる✋のを好む子もいれば、職員の体に顔を押し付けるように眠る子もいます。

視覚優位の子ども達にとって、視覚情報を自分で取捨選択するのが難しいため、このようにして刺激を減らしてあげることが有効なようです。

 

ただし、主要な情報源である視覚を遮断されることに、不安😖を感じるお子さんもいます。

その場合は、完全に目元を覆ってしまうのではなく、お日様がまぶしい☀️時に手で日陰を作る要領で、少しだけ目に入る光や見えるものを減らしてあげるのがいいかと思います。

 

お子さんの寝かしつけや夜泣きにお困りの皆さん、一緒に「おやすみなさい」スイッチを見つけましょう。

また、もっと別のおススメ🌟の方法をお持ちの方は、ぜひ教えてください❗️

標準語と方言のお話

先週に続いて、ちょっと真面目な「方言」の話題です。

 

日本語の標準語は意外に歴史が浅く、明治期以降の富国強兵策の下、義務教育や軍隊での訓練のため、全国民の間で通用することばが必要とされるようになり、東京方言をベースに、いわば人工的に作られたものです。

「全国民」、つまり特別な教育を受けたインテリ層ではなく、知的・社会的に平均的な階層をターゲットにした言語政策と言えます。

 

平易で、例外の少ない、規則性の高いことばですから、日本語学習初心者(子ども含む)にとって、学習しやすく、遣いやすいことばということもできるかと思います。

 

対して、方言はそれぞれの小さなコミュニティの中で共有される、人間関係や文化的背景、様々な「暗黙の了解」を含んだことば遣いです。

ことば自体を知っていても、そのコミュニティの「常識」を知らないと、遣いこなすのは難しいですね。

 

標準語に比べると、初心者泣かせ💦の言語と言えるでしょう。

 

例えば、「〜することができない」という表現1つをとっても、ここ、愛媛県の方言では、できない理由によって何通りもの言い方があります。

 

①「〜できん」

これは、ほぼ標準語と同じですね。

理由によらず遣える言い方です。

 

②「よー〜せん」

主に心情的な要因でできない時の言い方です。

 

③「〜られん」

外的な要因でできないことを表現します。

 

④「〜れん」

一時期、上一段・下一段・カ行変格活用動詞の場合に「ラ抜きことば」などと呼ばれ問題になったこともある言い方です。

実は、愛媛県松山市では昭和初期の頃に既に遣われていたという記録があり、これは全国でも最も古い記録になります。

比較的理由を問わず遣える言い方ですが、能力的にできないというニュアンスを含みます。

 

具体例として、「泳ぐ🏊」の場合…。

「よー泳がん」と言ったら、水泳そのものができないわけではなく、寒かったり、水が汚れていたりするために今は泳ぎたくない😩

「泳がれん」なら、水泳はできるし、泳ぎたい気持ちもあるけれど、遊泳禁止の場所であったり、お医者さんから止められていたりするから、今、ここでは泳がない。泳いではダメ❗️

「泳げん」または「泳げれん」と言うなら、多分、その人はカナヅチ🔨です。(「泳げれん」の方が、より「できない」度が高い印象です。)

 

このように、「泳ぐことができない」という意味のことば1つにしても、標準語に比べて、含まれる情報量がとても多いのです。

 

多種多様な事情を加味して、遣うことばを選択しなければならないことも、ことばの遅れのある子ども達が方言を遣いにくい理由の1つなのではないかと思います。

ことばの遅れと方言

発達障がいの子ども達は方言を話さないと言われます。

必ずそうだというわけではありませんが、確かにテレビ等に出演される、発達障がい当事者の方は、標準語で話されることが多いような気がしますね。

 

この理由はいくつかの説があり、代表的なものとしては、2通りあります。

 

1つには、言語習得のソース📕の問題。

いわゆる「定型発達」の子ども達の場合、周囲の人たちの実際のコミュニケーションから言語を習得していくことが多いかと思います。

ところが、発達障がいの子ども達は、周囲の人たちの行動や状況を参照することが苦手だと言われています。

そのため、家族やお友達の現実のやりとりよりも、テレビ📺や絵本などから、いわば「学習」によって言葉を習得する方が容易なようです。

テレビや絵本の登場人物は、標準語を話すことが多いですよね。

 

言い間違いや省略があり、その場限りで同じフレーズを繰り返すことが少ない、「生」のコミュニケーションに比べ、テレビや絵本のことばは、推敲を繰り返した、言わば完成形のことばであり、また、随時「リピート」することもできます。

発達障がいのお子さんだけでなく、ことばの習得が苦手なお子さんにとっては、より易しい「教材」と言えるかもしれませんね。

 

2つ目は、心的な距離の問題。

方言は、基本的にはある程度親しい関係で遣われることばです。

相手によっては「失礼❌」「なれなれしい❌」言い方になってしまう方言は、遣い方が少し難しいですね。

また、歴史的に人の流入の多かった地域の場合、敬意の度合いによっても方言と標準語の遣い分けがある場合もあり、方言使用のルールはより複雑です。

 

発達障がいの子ども達は、他者との心的な距離感を測るのが不得意だと言われます。

発達障がいでなくても、子どもは言語学習も人間関係も初心者です。

相手との関係によってことばを遣い分けるのは、なかなか難易度が高いですよね…。

 

誰に対しても、どの場面で遣っても「❌」でない標準語は、安心しできることばなのかもしれません。

 

個人的にはもう1つ、方言よりも標準語が扱いやすいと思う要素があるのですが、それについてはまたの機会に…。

「おべんきょう」は楽し♪

私は勉強することが大好きです。

学業優秀だったかというとそうでもなく、特に数学などは目も当てられないような成績でしたが。

 

…とは言え、本を読むこと、調べ物をすることが好きなので、わからないことや困ったことがあった時、その状況をまずまず楽しむことができるのは、私の大きな武器となっています。

 

さて、私がセンターでの「おべんきょう」で重視していること。

それぞれのお子さんの発達段階や特性にあった内容や難易度はもちろんですが、何より「楽しい💕」と思える課題を用意するようにしています。

 

就学前のお子さんにとって、現時点で教科学習の成績が優秀である必要はありません。

机に向かって、お話を聞いたり、読んだり、書いたりすることを「楽しみ💕」に思える下地を作ることができれば、首尾は上々。

特に、認知機能の凸凹のあるお子さんなら、ぜ〜んぶ❗️できなくても、何か1つ、「これは得意♪」というものがあれば、自信につながります。

この自信が、苦手なことを克服しようとがんばれる原動力になることもあります。

 

 

1つ、ご紹介。

これは、我が子が小学2年生の時の「自主学習」ノートです。

 

子どもって、タイムを計ったり、競争したりすると、「やる気」が燃え上がります🔥

それを利用して、「国語辞典の早引き対決」をしました。

国語辞典の使い方は小学3年生で学習するので、少し先取りの内容にはなるのですが、「楽しい💕」要素を取り入れることで、がんばることができました。

 

ただし、時間を計ると焦ってしまってイヤ💦というお子さんや、負けず嫌いで、負けちゃうと怒っちゃう🗯お子さんもいるので、注意してあげてくださいね。

個人的には、見え見えの手抜きで負けてあげるよりは、「大人VS子ども」だから…等、理由を説明した上でハンデをつけてあげる方がいいかなと思います。

 

*10日(月)は祝日だったため、本日11日(火)の更新とさせていただきました。

猫モブレ

「モブレ」とは、松山地方の方言で「〜まみれ」「〜だらけ」のような意味のことばです。

それと関係あるのかないのか、ちらし寿司のことを、「おもぶり」とか、「おもぶりご飯」などと言ったりします。

 

さて、「猫モブレ🐱」なのは、私のことです。

エプロンや靴下🧦の柄、髪飾り🎀などに猫モチーフをつけていることが多いです。

単に猫が好きなのもあるのですが、一応私なりに意味があって「猫モブレ🐱」ファッションにしています。

 

…これは、私の母に軽い失語症状があった時のことです。

物や人の名前を特に間違えやすかったのですが、たとえば私を呼ぶときに、「チコちゃん🐈(昔飼っていた猫♀)」「ピーちゃん🦜(昔飼っていたインコ♀)」、私の兄を呼ぶのに「サブちゃん🐕(昔飼っていた犬♂)」「チロちゃん🐩(更に昔飼っていた犬♂)」等々。

種族を越えて間違えるのに、性別だけは合っていました。

 

最近、ちょっと入院していた父も、入院後すぐのやや混乱している時、孫(男の子)の名前を「Mひろ(息子)」「Sぞう(甥)」等…。

こちらは全て身内の名前でしたが、やはり性別は正しかった…。

 

人名と性別が強く結びついているようなのです。

 

…と考えると、服装や髪型の似た女性が多い、センターや幼稚園、保育園の職員というのは、子ども達にとって、名前を覚えにくい→呼びかけづらい環境かもしれないな、と思うのです。

名前がわからないから、呼ばない、助けを求められない…というのでは、子ども達は安心して過ごせませんよね。

 

「名前を知らない大人」よりは、「あの猫モブレの人」の方が、親しみを持ってもらえるかな?というのが、私が「猫モブレ🐱」にこだわる1番の理由です。

 

だから、ある男の子に「猫の先生🐱」と呼びかけられた時は、「我が意を得たり」という気分でした。(今では彼も、ちゃんと名前で呼んでくれますよ♪)

魔法のことば

「でもダイジョウブ‼️」

我が子が2歳くらいだった頃の口癖です。

 

転んで痛かった🥲

ジュースをこぼしちゃった🥤

叱られちゃった…😞

 

イヤなことがあって、泣いたり怒ったりしそうなとき、

「でもダイジョウブ‼️」

と大人が声をかけたり、自分で言ったりすることで気持ちを立て直していました。

 

ただそれだけのことばなのに、不思議と効果てきめんの「魔法のことば」でした✨

 

私が教えたわけではないので、保育園の先生たちがいろいろな声かけを試す中で、

うちの子にヒットする方法を見つけてくださったのでしょうね(感謝🙏)。

 

センターの子ども達にも、いろいろな「魔法のことば」があります。

 

「アンパンマンみたい❗️」

「どんぐりさがしに行こう🌰」

「かっこいいね✨」

「どうやってするのか、教えて♪」etc.

 

ことばそのものではなく、誰かと「一緒にする」ことや、お気に入りのおもちゃなどが「魔法」の手がかりになる場合もあります。

それぞれの子ども、それぞれの発達段階に合った「魔法のことば」を見つけてあげたいですね。

 

「魔法のことば」は、成長の過程で効果がなくなったり、別のことばに置き換わったり…。変化していき、一生ものというわけではありません。

 

でも、こうして、自分の気持ちを切り替えるために工夫することそのものが、きっと一生ものの「魔法」になりますよ🧙

「おかあさん💕」

いつもはバスで通園しているAちゃんのお話。

ある日、お家の方のお迎えで13時過ぎの降園になりました。

急なことだったので、Aちゃんはそうとは知らず、夢の中💤

普段より早くお昼寝から起こされて、ちょっぴりご機嫌斜めだったのですが、

玄関の方に視線を向け、ぱ〜っと顔を輝かせ✨、帰り支度をしながら、話しかけます。

 

「ねえねえ、おかあさん💕」

 

聞いたことのないような、甘やかで、優しい声でした。

 

きっとAちゃん自身が、お家でそんな風に呼びかけてもらっているのでしょうね。

もしかしたら、お父さんがお母さんを、そんな優しい声で呼ぶのを聞いているのかもしれません。

私は、とってもうれしく、温かい気持ちになりました。

 

…職員室でそんなお話をすると、先輩職員が言ったのは、もう少し踏み込んだ内容でした。

 

「自分がしてもらったことを、同じように返す力が育っているね」

 

そう、センターでは、元気いっぱいのイメージが強い(乱暴なわけじゃないですよ!)Aちゃんですが、状況や相手次第で、あんな優しい、甘い声でお話できるんです‼️優しくしてもらってうれしい♪で終わらず、自分も優しく振る舞う力があるんですね。

 

もちろん、どのお子さんでも、優しい声かけをすれば優しい行動を取れるかというと、そうではなく、それぞれの発達段階によります。

どんなに優しく諭(さと)しても、お子さんにそれを受け止められる段階になければ、癇癪(かんしゃく)を起こしたり、応じられなかったりするでしょう。

時には、大きな声で注意喚起をしたり、駆け寄って抱きかかえる等の直接的な制止をしたりしないと、危険な場面もあるでしょう。

 

センターでは今後も、それぞれのお子さんの発達段階や状況を見極め、応じやすい声かけや環境を工夫していきます。

 

*9月12日、9月19日は都合によりお休みさせていただきました。今週のみ9月21日(水)の更新とさせていただきました。楽しみにしていただいていた皆様にお詫び申し上げます。来週からは月曜日の更新となります。

「カピバラだよ!」

ある日のAちゃんとBちゃんのやりとりです。

 

2人とも、まだはっきりとした発語はないお子さんです。

大人との関わりや、簡単なやりとり遊びはあるのですが、お友達との遊びには今のところあまり興味がありません。

 

動物の絵カードをめくりながら、職員に動物名を言ってもらっていたAちゃん。

ぎゅっと握った手で、絵が隠れていたため、職員の反応が遅れました。

「あれ?」という表情で動きを止めたAちゃん。

 

近くでのぞきこんでいたBちゃん。

「か…。か…。」

指差しながら、一生懸命Aちゃんに伝えようとしています。

 

カードの絵は、カピバラでした❗️

 

動物の絵カードは、Bちゃんも大好きで、普段からよく並べたり、職員に粘土で同じ動物を作ってもらったりして楽しんでいます。

そうした遊びの中で、「カピバラ」を知っていたのですね。

 

Aちゃんも、「ふーん。」というように、もう1度カードをながめて、次のカードを探します。

 

何ということはない遊びの1場面に思えるでしょう?

でも、AちゃんとBちゃん、2人の成長がうかがわれる出来事なんです❗

 

Aちゃんは、4月に入園した時には、ママ以外の人にあまり興味を示しませんでした。

「僕の❗」と決めた特定の職員に心を許してくれるようになり、少しずつ他の職員にも自分から関わるようになってきました。

そんなAちゃんが、お友達からの関わりを受け入れたのは、大きな1歩です🙌

 

Bちゃんは、今、相手が親しい大人であれば、自分から発信することが増えています。

ジェスチャーや、伝えたいことばの1音目を発音してくれることが多いです。

優しく関わってくれるお友達には、笑い返すこともあります。

でも、自分から、それも「ことば」で関わろうとしたのは、多分、初めてでした🎵

 

Aちゃん、Bちゃん、これからちょっとずつ、一緒に遊べることが増えたらいいな✨

「ねえねえ……。」

3歳児のAちゃんは、時々内緒のお話をしてくれます。

 

口元に手を当てて、「ねえねえ」と呼びかけ、職員が耳を近付けると「こしょこしょこしょ…」と。

 

昨年の内緒話は、それでおしまいでした。

 

2〜3か月前からは、その後に、「ねえねえ、Aちゃん」という、職員からの内緒話を待つようになりました。

この頃は、まだお話の内容にはあまり興味がなく、いつも「まあっ!」と驚いていました。

 

近頃のAちゃんは、「ねえねえ、Aちゃんってかわいいね💕」 「Aちゃん、大好きだよ♪」等と言うと、「えー、やだー」と言ったり、「うふふ」と笑ったりして、かわいい手で顔を隠します。

照れてるんです。

他にも、お話の内容で、少しずつ違った反応を返してくれるようになりました。

 

実は、Aちゃんは「ことば」はたくさん知っているけど、実際のコミュニケーションの手段としては、あまり使っていないのが課題でした。

 

この「内緒話」、ほんのちょっとした変化のようですが、相手のことばを受け止めて、その内容に反応できるようになったことは、とても大きな1歩なんです❗️

 

Aちゃんの反応(いつもかわいいんです💕)を期待して、さあ、次はどんな内緒話をしようかな?

「イヤだ!」の中身

先週に続いて、子ども達の「イヤだ」のお話です。

 

子どもが「イヤだ」という時、もちろん何かイヤなことがあるわけですが…。

どんなにタイミング良く「イヤだ」と訴えても、または訴えが強くても、

安全や健康に関わることなど、譲歩してあげられないこともあります。

一方で、子どもの「イヤだー!」は、「そのこと」が、

いつも、全部イヤと言う意味とは限りません。

 

子どもの「イヤだ!」には、

①今は気分じゃない

②上手くできないから、やりたくない

③分からないから、やりたくない(何をさせられるのか不安)

④部分的にイヤなことがある

…などの種類があるのではないかと考えます。

 

それぞれの内容を考えてみましょう。

 

①今は気分じゃない

大人でもそういうことはありますよね。

今、テレビがいいところだから、お風呂は後にしたいな…とか。

大人なら、後のことを考えて判断、行動できますが、

小さな子どもにはそれは難しいかもしれません。

大人に理解できるように言えたとしても、「ワガママ」と取られることも…。

子どもは、基本的に今、この瞬間、目の前にある、その現場だけを、

常に全力で生きていますから、遊びを中断して別の活動をすることには

抵抗があることが多いです。

タイミングを見て誘うと応じてくれるかもしれませんよ。

 

②うまくできないから、やりたくない

少し難易度を下げてあげたり、大人が手伝ってあげたりすれば、

「イヤ」じゃない場合があります。

子どもって、大人が思うより、失敗するのが「イヤ」です。

 

③分からないから、やりたくない

ことばだけでの促しだと、(大人に)何をしようと言われているのか分からなくて、

「イヤ」と言っている場合があります。

大人だって、例えば英語で(ペラペラの方もいらっしゃるとは思いますが)

「Let’s ***(←知らない単語)!」と誘われても、簡単に「Yes!」とは応じられないですよね?

そんなことないですか?私はちょっと不安です💦

子どもは、ことばの学習初心者です。

理解しているように見えても、声かけを聞き取れていないこと、わりとありますよ😄

簡単なことばを使ったり、写真・絵・時には使う道具そのものを見せて伝えてあげると、

安心して応じられることがあります。

 

④部分的にイヤなことがある

全部イヤなわけではないけど、ちょっとだけ「イヤ」な要素があることを、

「イヤだー!」と表現する場合があります。

例えば、「お着替えするのはいいけど、その服じゃないの」

「手は洗ってもいいけど、あっちの蛇口がいいの」とか…。

 

…番外編として、「イヤだー!」と言った時の、大人の反応を楽しんでいることもありますね😓

 

このように、「イヤだー!」と言っても、

場面や条件次第では「イヤ」じゃないことがあるんです。

「イヤだー!」をことば通りに受け取って、

「Aちゃんはこれが嫌いだから、ずっとさせない」を続けていると、

経験や成長のチャンスを狭めてしまう可能性があるので、ご注意を⚠️

 

何がイヤか、どうしてイヤか、どうすればできるかを、

子ども自身で説明するのはちょっと難しいです。

「イヤだー!」の内容を、大人がくみ取って、

応じられる条件を作ってあげられるといいですね。

イヤだイヤだ!イヤだー!!

お子さんの「イヤイヤ!」にお悩みの親御さんも多いかと思います。

 

今日はセンターの子ども達の「イヤだ!」のお話をしたいと思います。

 

やりたくないことを提案された時、プイッと横を向いて知らんぷりをしたり、

そっと手で押し返すことで「No!」の意思表示をしていたAちゃん。

最近、職員の顔に自分の顔を近づけて、笑顔でフルフルと首を振るようになりました。

「見て、ぼく、イヤって言ってるよ」

 

思いが叶わないと、泣いて怒って、手で押したり、叩いたりすることのあったBちゃん。

先日は、ボールプールの色とりどりのボールを独り占めしたくて怒っちゃいました😡

でも、ダメなことはわかっていて、床に突っ伏して「もおっ!」と…。

葛藤していました。

「わかってるけど!イヤなんだ!この気持ち、わかってよ!」

 

「イヤだ!」という思いを、「う〜っ!」と声を上げることで表現するCちゃん。

表現方法に大きな変化はないけれど、少しずつ様子が変わってきました。

これまではCちゃん自身にも何が「イヤ」なのかはっきりわからず、

「なんか不快なんだ、なんとかして!」だったのが、

「これはしたくないんだ!」「このおもちゃじゃなきゃイヤだよ!」という訴えに。

時には、お気に入りの職員に「あの人がダメって言ったんだ!」と言いつけるような様子も❗️

 

イヤな時には「うわーっ!」と怒っていたDちゃんは、「お茶飲もう」の声かけに、

「いらん!」と、ことばでお返事してくれました。

 

「イヤだ」を否定的に捉えてしまうことが多いと思います。

実際、我が子に「イヤだ!」と拒否されるのは、ママ(パパ)にとっては辛いことです。

でも、「イヤだ」を表現できることは、とても大切なことです。

怒る、叩くなどの方法で「イヤだ」を表現する時には、「イヤだったね」「こうしたかったんだね」

と代弁してあげる等、より適当な「イヤだ」の訴え方を見せてあげるといいでしょう。

 

また、「いいよ♪」は、ことばやジェスチャーにしなくても、相手の関わりに任せておけば場が成立するので、

「イヤだ!」の表現が強く出るのは、自然なこととも言えます。

 

子どもの「イヤだ!」は、「ママ(パパ)キライ!」ではありません。

①「イヤだ」がわかるようになった。(何がイヤなのかがわかるようになった。)

②「イヤだ」を言える(表現できる)ようになった。

③「イヤだ」を言える関係が築けている。

…等々。

子どもの成長の証拠でもあります。

 

(次回は、子ども達が「イヤだ!」で表現する内容について、考えていきたいと思います。)