ことばの種(STさんのつぶやき)

子どもと話すコツって❓

 今日は、子どもとの会話が

成立しやすい問いかけ方について

お話したいと思います。

 

遊んでいる最中に「りんご好き❓」と

訊くよりも、デザートのりんごを

食べているときに「これ🍎好き❓」

の方が、伝わりやすいですよね。

 

小さな子どもと会話をする時、

「これを見て❗️」「これは、〇〇だよ」

と、大人のペースで関わると、

反応が得られないことがあります。

 

そんな時には、子どもがわかりやすく、

応じやすい話題を選ぶことが有効です。

 

なるべく目の前にあるもの、子ども自身

が今、興味を持って、触っているものの

話題がいいでしょう。

 

小さな子どもは、その場にない物や、

過去・未来のことを記憶に留めて

おいたり、想像したりする力が、

大人に比べて弱いです。

日常的で馴染みがあると思うことでも、

現にその場にないものを話題にすると

ピンときにくいことがあるんです。

 

子どもが伝えたいことを聞き取るために。

 

何に興味を持っているのかな❓、

何を見ているのかな❓

今、大人の声かけを聞けるかな❓

(夢中になっていると、大人でも周りの

声が聞こえないことはありますよね。)

 

子ども自身の視点、状況に、

大人が歩み寄ってあげられるといいですね。

 

また、子どもも、

歩み寄ってくれた大人に対しては、

反応を返してくれることも、

呼びかけに答えてくれることも、

多いのではないかと

常日頃から、感じています。

 

ブドウの木

我が家はブドウの栽培が盛んな地域に

あります。

近頃は、シャインマスカットや藤稔

(ふじみのり)などの大粒で甘く、

種のない品種が主流になっています。

 


そんな中、親戚の畑では、私のためにと各畑に1本、

古いデラウェア(赤っぽい小粒の品種)

の木を残してくれています。

 

幼い頃に、私がたった一言

「デラ(デラウェア)が好き」と

言ったことが理由です。

 

でも、そんなにすごく「デラウェア」が

好きというわけではないんです。

 

「デラウェア」そのものが好き

というより、種のあるブドウがイヤ

だったのと、他の品種の区別がつかず

(当時は濃い紫で粒の大きさが中位の

ものがほとんどだったので)、確実に

知っている品種名を言ったような記憶が

あります。

 

小さな子どもとのやり取りでは、

こうした小さな行き違いは、

わりと頻繁に起こります。

 

子どもの「〇〇好き」は、本当に

それが好きとは限りません。

 

本当にそれが好き❓

言い間違い❓

知っていることばを言ったのかな❓

 

一生懸命伝えてくれることばから、

子ども達が本当に伝えたいことを

読み取ってあげたいですね。

 

*大人の問いかけに対して、

「わからない」「どっちも違うよ」

等と答えることは、経験のない子どもにとって

意外に難しいものです。

答えなかったり、場に合わない単語を

答えたりする場合には

1、質問内容はわかる。

2、応じる気持ちもある。

でも、答えが「わからない」のかも

しれませんよ。

お子さんがが応えやすい質問をするためには?

次回に続きます。

本当かな❓️

皆さん、ゴールデンウィークは楽しく過ご

されたでしょうか?

お子さんとの時間を満喫できた💕という方

も、遊びに、お食事の支度に、ヘトヘト💦

な方も、それぞれに、子どもたちの成長を

感じられたことと思います。

 

一緒に過ごす中で、ことばが増えた❗

とか、はっきりとは言えないけれど、

伝えようとしているのがわかった❗

ということもあったかもしれません。

 

ところで、お話ができるお子さんについて、

ちょっと注意しておいて欲しいことがあります。

 

それは、その子が言っていることが

「本当かな❓️」ということです。

 

子どもの語彙(ごい)は、大人に比べ、

ずっと少ないです。

その少ない語彙で、伝えたいことを表現する

わけですから、本来の意味とずれてしまう

ことがあります。

 

例えば、幼児期の我が子は、動物を

「わんわん🐶」、「にゃんにゃん🐱」、

「かー」の3語で表現していました。

ちなみに、「わんわん」は犬、馬、牛、

「にゃんにゃん」は猫、その他の哺乳類、

「かー」は鳥類だったのですが、ペンギン🐧

は「にゃんにゃん」でした。

 

小さな子どもの場合、物事やことばを

きちんと整理して理解(カテゴリー理解、

仲間分け)しているわけではありません。

ですから、子どもが発することばが、

必ずしも大人が考える意味で使われている

とは限らないんです。

 

「にゃんにゃん」と言われたら、猫🐱や、

小型の哺乳類を想定しますが、その子が

言いたいのは、ペンギンや羊、象かも

しれません。

 

また、「わからない」「どっちでもいい」

という表現が難しくて、知っていることばを

答えることもあります。

 

覚えたことばを使ってみたくて、「遊び」

として、口にしていることもあります。

 

「◯◯好き」「△△嫌い」「□□したい」

などのお子さんのことば、上手に伝えられた

ことを喜び、ほめてあげるとともに、

この子の言いたいことは、本当に

「これ」かな?と、視線の先、指差している

もの、表情や場面にも注意して聞きたいですね。 

もし、お子さんの「本当に伝えたいこと」

と、ことばのズレに気づいたら、

「こう言いたかったんだね✨」と受け止める

ことで、より伝わりやすい方法を示して

あげるといいですよ。

「ぎるぎるぎる」⁉️

「初語」とは、子どもが初期に獲得した

ことばを指します。

その音の連なりが安定して聞かれる

(その「ことば」をよく言う)こと、

意味を持っていることで、それまでの

意味を持たないない発声(喃語:なんご)

と区別されます。

 

大学時代の友人の話です。

生まれて初めてしゃべった「ことば」は、

「ぎるぎるぎる」なのだそうです。

 

…意味はわからないそうです。

 

それって初語って言えるのかな?と、

当時は疑問に思ったものです。

 

今は、それはきっと「ことば」だった

のだろうと思います。

 

意味は、「なかった」のではなく、

大人が「読み取れなかった」のでしょう。

 

辞書に載っているような、

公式なことばだけが「ことば」

ではありません。

 

方言学の分野にはvariety of language

(言語変種)という概念があり、

例えば、ある家庭の中だけで使用され、

広く一般には伝わらないような単語、

言い方も、「ことば」のバリエーション

の1つ(家庭変種・家庭内方言)である

と認めています。

更には、「個人変種」などという概念も

あり、その人個人しか使わない「ことば」

もまた、言語なのです。

 

例に挙げた「ぎるぎるぎる」も、大人には

意味がわからなかったけれど、

その子自身は確かに何らかの意味を持たせて

発した、「ことば」だと読み取ったお母様の

観察力と愛情を感じる「初語」ですね。

 

「まだことばが出ない」と大人が思って

いる子どもたちも、もしかしたら、

子ども達なりの「ことば」でお話して

いるかもしれませんよね。

 

こうした、「ことば」を、ことばとして

認め、真似たり、ほめたり…。

反応を返してあげることで、

コミュニケーションへの意欲が高まり、

より伝わりやすい「ことば」を獲得

することにつながっていきます。

 

子どもたちのことばの発達を見守る時、

「ぎるぎるぎる」という音の連なりを、

「ことば」として拾い上げた、

この友人のお母様の姿勢と感性を、

見習いたいと思っています。

「おべんきょう」は段階を踏んで

子どもの発達を促す関わり方について、

「スモールステップが大切」と言われ

ます。

いきなり難しいことにチャレンジするよ

り、簡単にできることから始めること

で、意欲を高め、「できる」を定着させ

ていくことができます。

このことは、知識としてはよく知ってい

たのですが、先日、実感として「本当に

そうだ」と思うことがあったので、お話

ししたいと思います。

 

年長のAちゃんとの「おべんきょう」で

の1場面です。

 

お子さんによっては、ひらがなや数字

(場合によってはカタカナ、漢字、アル

ファベットも)の読み書きができても

おかしくない年齢です。

(我が子は、年長のこの時期、読み書き

はできず、興味もありませんでした💦

個人差は大きいです。)

 

Aちゃん、個別での「おべんきょう」の

場は楽しんでくれているのですが、

どうも集中力が続きにくい様子です。

 

取り組んでいたのは、ひらがなのマッチ

ング(鉛筆で書いたひらがなの上に、

同じひらがなを書いたシールを貼る)と

なぞり書きです。

一生懸命紙面を見つめながら、「がん

ばって」取り組むのですが、窓の外や

物音に注意が逸れ、お喋りが始まります。

 

なぞり書きは上手にできるのですが、

線と線が交差するところで、どちらに

進んでいいか悩んでいる様子もありました。

 

そこで、ひらがな練習は一度お休みして、

直線のなぞり書描きをしてみました。

 

すると、驚くほどの集中力で、

取り組みます。

お手本の点線からはみ出さないように、

丁寧に。

初めに使っていた黄色のクレヨンでは、

描いた線が見えづらいことに気づき、

別の色を使いたいと伝えることも

できました。

格子状に線が交差する時には、

途中で折れ曲がらず、まっすぐ線を

引き切ることもわかりました。

 

文字のマッチングも、なぞり書きも、

「できる」力は持っているAちゃん。

でも、集中して取り組むためには、

もう少し段階を踏んで、自信をつけて

いく必要があったのですね。

 

意欲があり、楽しんでもいたからこそ、

がんばってくれていたんです。

 

大人の目には、気が散る、手が止まると

いう行動は、やる気がないように見えて

しまうことがあります。

でも、それは

「すごくがんばってるんだ!」

「ちょっとしんどいよ…。」という、

子どもからのSOSかもしれません。

 

「おべんきょう」は、スモールステップで。

それぞれの段階に合った内容を。

 

意欲と興味を持ち続けることで、

少しずつ身についていくことを願って、

(大人が)焦らず、導いてあげることが

大切です。