ことばの種(STさんのつぶやき)
「イヤだ!」の中身
先週に続いて、子ども達の「イヤだ」のお話です。
子どもが「イヤだ」という時、もちろん何かイヤなことがあるわけですが…。
どんなにタイミング良く「イヤだ」と訴えても、または訴えが強くても、
安全や健康に関わることなど、譲歩してあげられないこともあります。
一方で、子どもの「イヤだー!」は、「そのこと」が、
いつも、全部イヤと言う意味とは限りません。
子どもの「イヤだ!」には、
①今は気分じゃない
②上手くできないから、やりたくない
③分からないから、やりたくない(何をさせられるのか不安)
④部分的にイヤなことがある
…などの種類があるのではないかと考えます。
それぞれの内容を考えてみましょう。
①今は気分じゃない
大人でもそういうことはありますよね。
今、テレビがいいところだから、お風呂は後にしたいな…とか。
大人なら、後のことを考えて判断、行動できますが、
小さな子どもにはそれは難しいかもしれません。
大人に理解できるように言えたとしても、「ワガママ」と取られることも…。
子どもは、基本的に今、この瞬間、目の前にある、その現場だけを、
常に全力で生きていますから、遊びを中断して別の活動をすることには
抵抗があることが多いです。
タイミングを見て誘うと応じてくれるかもしれませんよ。
②うまくできないから、やりたくない
少し難易度を下げてあげたり、大人が手伝ってあげたりすれば、
「イヤ」じゃない場合があります。
子どもって、大人が思うより、失敗するのが「イヤ」です。
③分からないから、やりたくない
ことばだけでの促しだと、(大人に)何をしようと言われているのか分からなくて、
「イヤ」と言っている場合があります。
大人だって、例えば英語で(ペラペラの方もいらっしゃるとは思いますが)
「Let’s ***(←知らない単語)!」と誘われても、簡単に「Yes!」とは応じられないですよね?
そんなことないですか?私はちょっと不安です💦
子どもは、ことばの学習初心者です。
理解しているように見えても、声かけを聞き取れていないこと、わりとありますよ😄
簡単なことばを使ったり、写真・絵・時には使う道具そのものを見せて伝えてあげると、
安心して応じられることがあります。
④部分的にイヤなことがある
全部イヤなわけではないけど、ちょっとだけ「イヤ」な要素があることを、
「イヤだー!」と表現する場合があります。
例えば、「お着替えするのはいいけど、その服じゃないの」
「手は洗ってもいいけど、あっちの蛇口がいいの」とか…。
…番外編として、「イヤだー!」と言った時の、大人の反応を楽しんでいることもありますね😓
このように、「イヤだー!」と言っても、
場面や条件次第では「イヤ」じゃないことがあるんです。
「イヤだー!」をことば通りに受け取って、
「Aちゃんはこれが嫌いだから、ずっとさせない」を続けていると、
経験や成長のチャンスを狭めてしまう可能性があるので、ご注意を⚠️
何がイヤか、どうしてイヤか、どうすればできるかを、
子ども自身で説明するのはちょっと難しいです。
「イヤだー!」の内容を、大人がくみ取って、
応じられる条件を作ってあげられるといいですね。