2023年3月の記事一覧

もうすぐ4月

桜が咲き始めました。

今年度もあと少しで終わりますね。

 

STでの「おべんきょう」でも、

色々なことをしました。

新年度が始まった頃には、

数字・ひらがなの練習や、

その準備段階として、シールや

スタンプを使った遊びをたくさん

しました。

注意深くお話を聞く練習として、

楽器やCDを使って「音当て」

クイズもしました。

 

夏にはバスボムを作りました。 

 

 

お正月には「緋のカブ」の漬物を作りました。

 

 

 

おひな祭りには、着物を着てみましたよ。

 

最近は、年長さんを中心に、

数字のパズル「ナンプレ」を

しています。

 

ことばの学習とは関係ないように

思える活動が、たくさんあるでしょう?

 

確かに、これらの活動そのものは、

ことばに直結する訳ではありません。

バスボムや漬物が作れなくても、

人生に何ら問題はありません。

 

教材は子ども達にとって

「楽しい✨活動」と感じられるものを‼️

ものづくりの大好きな子ども、

多いです。

好きなこと、興味のあることから、

それぞれの課題や伸ばしたいところに

アプローチしています。

 

*通常、子ども達はすぐに結果が

見えない活動は、苦手です。

だから、普通の漬物作りは、

「おべんきょう」の導入としては

やや難易度が高いように思います。

松山市の特産品「緋のカブ漬け」は、

柑橘酢を加えてすぐに白っぽいカブが

鮮やかなピンク色になるので、

変化がわかりやすく、教材として

おすすめです。 

 

「おべんきょう」は必要なこと

なんだから、我慢して頑張ろうね、

というのは、大人の理屈です。

苦手なことを、退屈な方法で学ぶのは、

子どもにとってはしんどいことです。

少しだけ頑張ったら、

とっても楽しいことができたよ❗️という

経験を積むことが、「おべんきょう」の

導入としては大切です。

 

卒園する皆さん、

どうか新しい場所でも、

元気で、楽しく過ごしてね。

 

進級する皆さん、

来年度新しく入園する皆さん、

楽しいことをたくさんしましょうね。

 一緒に「おべんきょう」できる日を

楽しみにしています😊

 

「4月になったら…。」

もうすぐ卒園するAちゃんが、

最近よく口にすることばです。

 

「Aちゃん、4月になったら○○小学校に行くの。

くじらには来ないんだ、ごめんね。」

 

そう、4月からは1年生。

楽しみですね。

そして、見送る私たちは、

少し寂しい…。

 

ご家庭で、チームでの活動で、

折に触れて「4月になったら」の

お話をする中で、センターのお友だちや

職員とはお別れになること、

Aちゃんとのお別れを

寂しく思っていることを

理解してくれているんですね。

 

見送る側の気持ちなんて、

私は大学卒業の時ですら

考えなかった気がします。

Aちゃん、すごいなあ。

 

新しい環境に混乱しない

子どもは、多分いません。

大人ですら緊張しますよね。

 

小学校に行くんだよ。

幼稚園や保育園に行くんだよ。

新しい環境(学校や園)では、

こんな活動をするよ。

新しいお友だちができるよ。

クラスや担任の先生が

変わるかもしれないよ。

(進級して)違うお部屋に

行くようになるよ。

 

「4月になったら」、

色々な変化があります。

たくさんお話をして、

予告しておくことで、

混乱を軽減することができます。

Aちゃんのように、

他者の心情に気づくことが

できるかもしれません。

 

特に、小学校入学、

幼稚園・保育園入園など、

大きな節目を迎えるお子さんには、

「4月になったら」のお話を

してあげてください。

数字に興味のあるお子さんなら、

カレンダーを見ながらの説明も有効です。

 

説明を理解していないように

見えても、その場面になった時、

「あ、このことだったのね」と

つながることもありますよ。

 

絵カードの使用例

センターのお別れ遠足での、Aちゃんの

お話です。

 

明確なことばこそ出ませんが、大人の声

かけや、その場の状況などは理解できて

いるお子さんです。

普段は少人数のチームで過ごしています。

 

少しだけ心配していたのが、初めての場

所・活動は苦手で、大人数の中で座って

お話を聴くのも、得意ではない点です。

(大抵のお子さんはそうですね。)

 

いつもと違うメンバー、初めて行く場所、

初めてする活動…。

どうすればAちゃんの不安を軽減し、楽

しく過ごすことができるでしょうか?

 

用意しておいたのは、絵カードです。

Aちゃん、声かけでも理解できるのです

が、視覚的な提示がある方が、より納得

し、安心できるようなのです。

 

全体でのお話や、ゲームなどの説明の間

も、「おあつまり」の絵カードを握り、

「今はお話を聞く時なんだね。」という

ように、前に立つ職員とカードを見比べ

ながらその場で座って過ごすことができ

ました。

 

場所を移動する時にも、行き先や次の遊

びのカードを見ることで、落ち着いて動

けました。

 

これは絵カード使用の成功例の1つです

が、注意しておきたいことがあります。

 

「カードを提示する」は、その通りに

「行動できる」とイコールではないとい

うことです。

 

視覚的に示すことで、状況や求められて

いることが「分かる」、「安心できる」

ことが、カードの第一の目的です。

 

次のステップ=その行動が「できる」た

めには、「分かった」→「した」経験を

積んでいく必要があります。

 

やってみたら「いいことがあった(嫌

じゃなかった)」ということを繰り返す

ことで、声かけや求められている行動に

応じられるようになっていきます。

 

例えば、お返事をしたらほめられた、席

に座ったらおもちゃをかしてもらえた、

泣かずにことばで伝えたら、気持ちを聞

いてもらえた(思いが全部叶えられなく

ても)、待っていたらゲームを楽しめた

等々です。

 

大人が求める行動に応じたら嬉しいこと

があった」という経験を積み重ねること

が、子ども達の中に「できる」下地を

作っていくことにつながります。

 

冒頭のAちゃんの場合、今すること、次

にすることをカードで知らせることで、

安心して活動に参加できました。

 

でも、カードを見て分かったからといっ

て、必ずしも「できる」とは限りません。

それぞれのお子さんの発達段階に合わせ

て、一歩一歩「できる」に近づく支援を

していきたいですね。

 

また、「カードを見たよ」→「分かった」

→「でも、イヤなの!」ということもあ

るかもしれません。

その反応は、何がイヤなのか、どうすれ

ば「できる」のかを探るためのヒントに

なります。

 

カードを使って「できた!」とならなく

ても、そのお子さんにとっては力になっ

ているものはあるんですよ。

「投げちゃうよ🥎」

何でもポイポイ♪と投げちゃう時期

ってありますね。

 

掴む→投げるという動作ができるよ

うになると、その行動自体が楽しか

ったり、物が飛んでいくことや、人

が反応してくれることが面白かった

り…。

 

でも、硬い物、重い物、壊れやすい

物や、角のある物等々、投げて欲し

くない物もあります。

 

そんな時、どうしていますか?

目を合わせて「ダメ❗️」と言い聞か

せますか?

 

「ダメ」の声かけに応じられるお子

さんなら、それも有効です。

顔を見てお話するのは大切ですね。

 

「ダメ」なのは分かっても、まだ幼

くて、例えば積み木を積み上げる

等、他の遊び方を知らない・できな

い場合には、投げることが遊びにな

ってしまうのも仕方がないことかな

と思います。

 

そんな時には、「優しく置くんだよ」

「積み積みしようね」と、遊び方を

教えてあげる方が、より有効な場合

があります。

声かけでは伝わりづらいお子さんに

は、そっと手を添えて、「こうする

んだよ」と、一緒に積み木を積んだ

り、そっと置いたりするといいです

ね。

投げてしまう前に、望ましい行動を

示すことができれば、より身につき

やすいようです。

 

「投げちゃダメ」はわかるけど、

身体が動いてしまう場合には、投げ

てもいいおもちゃや場所を決めて楽

しむのも1つの方法ですよ。