ことばの種(STさんのつぶやき)

でんでんむしむし♪

センターでカタツムリ🐌が流行中なので、便乗して…。

今日は、お子さん達の言葉の発達とは少し離れたお話を。

 

デンデンムシ、カタツムリ、マイマイ、蝸牛(かぎゅう)…。

呼び方は色々ですが、これ、全部🐌のことですね。

 

STの領域で🐌蝸牛(かぎゅう)と言えば、「内耳(ないじ)」。

振動として伝わった「音」を、電気信号に変換して受容する器官です。

内部はリンパ液で満たされていて、カタツムリの殻(から)のように本当にぐるぐると

渦(うず)を巻いているんですよ!

音の高さを判断したり、受信した音に反応して、細胞そのものがダンスをするように動いて音を増幅したり…。

とても精密で神秘的な器官です✨

 

それから、ことばとの関わりで言うなら、柳田國男『蝸牛考』が有名です。

都(文化の中心地)で使われることばが、人々の移動や交流によって地方へと伝わっていき、

都では使われなくなった古いことばも、より遠く離れた地域には方言として残り続けます。

そのため、都(日本の場合は京都でしょうか。)からの距離が同じくらいの地域のことばには

似た語彙があるという説があり、柳田國男氏はこれを「カタツムリ」の呼び方の地域差によって論じています。

(『蝸牛考』の説明としては大ざっぱすぎますが、ご興味のある方は実際に読んでみてください)

松本清張『砂の器』で、この学説(方言周圏論〈ほうげんしゅうけんろん〉と言います)が

事件の鍵🔐となっていますから、推理小説ファンの方はご存知かもしれませんね。

 

ちなみに、こうして伝わっていくことばの速度はおよそ1km/年。

(井上史雄『日本語は年速1キロで動く』2003.7.1から)

これは、カタツムリの移動速度と同じくらいだそうですよ🐌

(でも、新型コロナの流行で、インターネットが劇的に普及した現在だとどうなっているんでしょうね?)