2022年12月の記事一覧
「ことば」ってなあに?
あるお友だちのお話です。
声に出しての「ことば」は、まだ少ないのですが、
実はたくさんのことばを知っています。
ひらがなや数字、アルファベットも読めます。
今は、両手の指でアルファベットの形を表すのが「マイブーム」で、
職員の手をとって「こうするんだよ」と言うように教えてくれます。
それならば、指文字(指の形でアルファベットや数字、五十音を表す視覚言語)
もできるかしら?と、保育室に表を貼ってみたのですが、
今のところ興味はないようです。
ところで、聴覚に障がいのないお子さんに、指文字や手話を教えることに、
意味はあるでしょうか?
私は、「本人が楽しめるのなら」という条件付きで、意味のあることだと
思っています。
「ことば」とは何か?と考えるとき、1つには意志伝達の手段というのが、
大きな役割といえます。
もっと習熟すれば、単に要求を伝えるだけでなく、お互いの思いを伝え合う等、
コミュニケーション手段にもなります。
他にも、自分の気持ちを言語化して整理したり、考えを深めたり、
ことば遊びを楽しんだり…。
いろいろな役割を持つ中でも、やはり他者とつながるための「架け橋」的な
役割が基本であり、重要であると考えます。
そうすると、意思表示の手段は必ずしも音声言語でなくてもいいかな?と思います。
ジェスチャーでも、手話でも、文字でも…。
表情の変化だって、周囲の人が上手に読み取ることができれば、十分に伝達方法と
なりえます。
それらの手段の1つとして、指文字や手話があってもいいでしょう。
(無理に教える必要はないんですよ!)
まずは伝わることが大切!
家族の中だけで通じる身振りや発音でもいいんです。
それらは十分に「ことば」の代わりになりえます。
私たちは、そうしたお子さんそれぞれの意思伝達を読み取り、
反応を返せるように努めます。
そして、身近な人と通じ合い、伝わることを楽しめるようになったら、
「万人に伝わる」こともまた大切な要素です。
より大勢に伝わる手段を得られれば、子ども達の世界は広がりますよ。